NY市場 あまり過度に期待しないほうが

2013年09月27日 03:08
政府は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など計200兆円を超える公的・準公的資金の運用・リスク管理の高度化に向けた改善策を議論する5回目の有識者会議を開き、中間論点整理をまとめていた。
 
国内債券が中心の現在のポートフォリオでは金利上昇時(債券価格下落)に損失が生じるとし、他のリスク資産にも資金を振り向けようという趣旨。ポートフォリオは運用の専門家が考えるべきとし、具体的な比率には踏み込まなかったものの、見直しが必要との見解ではほぼ一致していたようだ。
 
これにより外貨建資産の購入も増え、それに伴う外貨買い需要が増加するのではとの期待から円相場も盛り上がっていた。
 
しかし、円相場に関してはあまり過度に期待しないほうが良いのかもしれない。GPIFは6月時点で既に外債を8%から11%に、外株を9%から12%に増やしており、外貨建て資産は23%に及ぶ。外貨建て資産の比率としては既に適当な水準に近づいているように思われる。
 
会議では不動産投資信託(REIT)や不動産・インフラ投資、プライベートエクイティ、商品など新たなリスク資産も運用対象に加えるべきとの指摘もあったようだが、良い考えのように思われる。エネルギーや食品価格、そして年金受給者のことも考慮すれば商品はどうかとは思うが。
 
いずれにしろ、これ以上は外貨需要はさほど期待できないうえ、11月が最終報告で、反映は来年からと思われることから、この時点で変に期待した円売りは少し違うような感じはする。