LDNFIX=イエレン発言でドル売り、デフレ通貨ユーロ強い

2014年04月01日 00:42

ロンドンフィックスにかけての為替市場ではドルが売られた。米3月シカゴ購買部協会景気指数が弱く、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が「経済には異例の支援が当面必要」、「米経済と労働市場にはかなりのたるみがある」などと述べたことが背景。イエレンFRB議長は前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会見におけるタカ派色に調整を加えた格好で、米2年債利回りは低下に転じ、米10年債利回りは伸び悩んだ。米株価指数はこのコミュニケーション調整を受けて一時上値を伸ばした。こういった手がかりとは別に、月末・四半期末のためポンドやオセアニア通貨に買いが持ち込まれた。
 ドル円はリスク選好パターンのなかで103.44円まで上昇後、103円割れへと失速。米2年債利回りの低下が重し。ドル円につれクロス円の上値は重くなり、ユーロ円は142.62円の高値から141.80円付近まで押し戻された。ポンド円は172.07円から171円後半まで調整。加ドル円は強い加GDPを手がかりに93.91円まで上げたが、その後は93円前半へと上げ幅を縮小している。
 一方でオセアニア通貨はしっかり。弱含んでいた豪ドル/ドルやNZドル/ドルが反発に転じ、それぞれ0.9278ドル、0.8682ドルまで上昇。全般にクロス円が伸び悩むなかで、豪ドル円は95.65円まで値を上げ、上昇幅を維持。NZドル円は89円前半でしっかり。ポンドドルも1.6681ドルまで堅調に推移した。
 ユーロドルはイエレンFRB議長の発言を受けて1.3810ドルの高値をつけた。この日発表されたユーロ圏消費者物価指数(CPI)ではディスインフレ傾向が強まっていたが、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和警戒によるユーロ安圧力よりもデフレ通貨として上昇圧力が強まっている。主要国のなかでディスインフレ傾向が明確なのはユーロ圏だけであり、過去の円相場のような様相を呈してきた。ただ、1.38ドル前半では抵抗感があり、1.37ドル後半まで押し戻されている。