LDNFIX 雇用統計後のドル高が急速に巻き戻される

2014年05月03日 00:44

ロンドンフィックスにかけてはドルや円が荒っぽい動きに。今週最後の注目イベントとなった米4月雇用統計では、米労働市場の大幅な改善が示されてリスク選好の動きが優勢となった。しかし、米国の早期利上げ期待は思ったほど高まらず、次第に短期筋を中心としたイベント通過後の持ち高調整の動きが活発化。フィキシングにかけて、それまでのドル高や円安が急速に巻き戻される結果となった。
 米雇用統計では非農業部門雇用者数が28.8万人増と、市場予想中央値の21.8万人増を大きく上回って2012年1月以来の増加幅を示現。前月分も19.2万人増から20.3万人増に上方修正された。また、失業率は6.3%へと大幅に改善して2008年9月以来の低水準となった。一方、家計調査では就業者数も減少。労働参加率も低下し、今後の動向が注目される結果だった。米短期金融市場では、米利上げの予測時期が2015年6月へ、1カ月程度前倒しされた。著名FEDウォッチャーとして知られる、米WSJのヒルゼンラス氏は「金利上昇のタイミングでFEDの議論が激化する」との見解を表明。ただ、雇用統計の結果は、FRBの政策スタンスを変化させるものではないとしている。
 ドル円は雇用統計の発表直後に103.03円まで急騰。4月8日以来の103円乗せを果たした。その後は102円後半で伸び悩むと、「セル・オン・ファクト」の様相も呈した巻き戻しのなかで102.13円まで急落。関連市場では米長期金利が2.697%から2.572%まで急低下。ダウ平均はザラ場ベースでの史上最高値更新を目前にした後、マイナス圏へ失速した。クロス円もドル円同様の展開。ユーロ円は142.45円から141.65円、ポンド円は173.50円から172.39円、豪ドル円は95.05円から94.59円、加ドル円は93.71円から93.13円へと上下した。NZドル円も88.87円を高値に88円半ばへ失速。
 対ドルは売り先行後に反発。ドル高からドル安へのシフトに振らされた格好。ユーロドルは1.3812ドルから1.3872ドルまでほぼ「いって来い」。ポンドドルは1.6823ドルから1.68ドル後半へ持ち直した。豪ドル/ドルは0.9203ドル、NZドル/ドルは0.8594ドル、ドル/加ドルは1.1004加ドルまで、対ドルで売りを先行させたが切り返した。