LDNFIX 株安に伴い円が買い戻される

2015年01月21日 02:06

ロンドンフィックスにかけては、リスク回避ムードの円買いが意識された。上昇して始まった米株価がマイナスに転じたほか、安全資産とされる米国債が上昇したことが円を押し上げた。米株価は、ヘルスケア・エネルギー関連株が主導して下げ、欧州中央銀行(ECB)による刺激策への期待感を押さえ込んだ。ドル円は、ロンドン午前につけた118.78円を高値に118.30円前後まで押し戻されたほか、ユーロ円は137.00円近辺、豪ドル円は96円後半まで押し返された。
 
ユーロドルの上値も重かった。ECB理事会を前に積極的に買い戻すだけの手掛かりが少ないほか、対円での下落の影響も加わって、1.15ドル後半でじりじり上値を切り下げた。かたやポンドやスイスフラン(CHF)はしっかり。ユーロ圏の金利先安感を受けて、ポンドやCHFはユーロに対して上昇。この流れが対ドル・対円にも波及し、ポンドドルは1.5200ドル、ドルCHFは0.8686CHFまでドル安推移。
 
ポンド円は12日以来の高値となる180.28円まで上昇し、CHF円は136.38円までレンジ上限を広げた。ただ、株安に伴うリスク回避の円買いから、各々上昇幅は限定的だった。
 
一方で、加ドルやNZドルは軟調。世界経済の成長鈍化懸念から、供給過剰状態が今後も続くとの見方でNY原油先物が大きく下げたことが影響して、加ドルは下落。ドル/加ドルは2009年4月以来の加ドル安となる1.2113加ドルをつけ、加ドル円は97.73円まで弱含んだ。加11月製造業出荷が、市場予想-0.7%を下回る-1.4%となったことも重しとなった。NZドルもさえない展開。明日の物価指数発表を控えた調整売りが進み、NZドル/ドルは0.7680ドル、NZドル円は90.95円までレンジ下限を拡大した。乳業大手フォンテラが公表する乳製品価格の総合指数であるGDT価格指数は、前回から1%上昇したが、為替市場への影響は限られた。