LDNFIX 調整内の円売り、ポンドは荒い値動き見せる場面も

2013年08月29日 00:37

 ロンドンフィックスにかけては、ドル円が97.84円まで反発した。9月に米金融緩和ペースの縮小が開始されるとの見方が引き継がれるなかで、インド・ルピーが対ドルで18年ぶりの安値を示現するなど、新興国市場への懸念は継続している。化学兵器の使用疑惑で、西側諸国がシリアに対して軍事介入を実施するとの見通しも根強く、警戒感も残存している。ただ、米株価や長期金利に前日の反動が持ち込まれており、ドル円も調整の範囲内で巻き戻しが優勢となった。豪ドル円も87.48円、NZドル円は76.27円、加ドル円は93.37円まで円高が修正された。シリアを査察中の国連調査団が、調査完了には4日程度の日数を要するとの見解を示したことで、性急な軍事攻撃への懸念がいく分後退したことも調整を促したようだった。
 ユーロドルは1.3305ドルまで下落して前日安値を割り込むなど軟調。ユーロポンドに、月末のリバランスに絡んだユーロ売りが入ったことに圧迫された。一方で豪ドル/ドルは0.89ドル半ば、NZドル/ドルは0.78ドル付近まで持ち直した。ユーロ安が豪ドルやNZドルにも波及したことや、クロス円の反発に沿う格好で底堅く推移した。また、ポンドドルはカーニー・イングランド銀行(BOE)総裁の講演内容が伝わると下押し後に急騰するなど荒い動きを見せる場面もあった。総裁は、市場金利が回復を阻害すれば追加緩和を実施する準備はあるとしたが、英景気回復基調が継続する兆候があるとの認識を示している。直近の英金利上昇に対する口先けん制はあったものの、米国ほど明確ではないフォワードガイダンスの運用方針に懐疑的な市場参加者も多く、ポンドドルは1.5427ドルまで下値を広げた後は1.5555ドルまで反発。ポンド円は円の修正安も相まって151.91円まで上値を伸ばした。