LDNFIX 中東情勢懸念で円買い継続だが、ドル買いは中断
ロンドンフィックスにかけての為替市場では、シリアに対する西側諸国の軍事介入が警戒されているため、地政学的リスクを背景とした円高基調が継続した。ダウ平均の下げ幅は100ドルを超えたうえ、大証日経平均先物は230円安の13310円まで一段安となっている。
今後、シリアのアサド政権が軍事加入によって打倒されるとしても、同国では宗教対立による内戦が継続する公算であり、シリア政府を支援するロシアやイランとの衝突も視野にあるため、開戦が泥沼への入り口との指摘は多い。また、米債務上限の引き上げがなければ10月半ばには資金が底をつく見通しと発表されており、米政府機関の閉鎖リスクも時間と伴に高まっている。発表された米経済指標はおおむね強かったものの、相場の流れに与えた影響は限定的。
ドル円は97.16円、ユーロ円は129.84円、ポンド円は150.84円、加ドル円は92.43円、豪ドル円は86.97円、NZドル円は75.63円まで下げ幅を拡大。NY勢の本格参入以降、欧州通貨や資源国通貨に対してドル売りが入る場面があり、クロス円の下げ足は緩んでいるが、ドル円は1円超下げた後も下値探りを継続している。
ユーロ円の下げに圧迫されていたユーロドルは1.3398ドルまで反発し、昨日のNYクローズ水準まで戻した。ドル売りの手がかりは見当たらないものの、21日移動平均線がサポートとなったような格好となっているうえ、シリア情勢の対応次第では米国に対するテロ攻撃のリスクも増すため、ドル売りが誘われる背景もあるといえる。ポンドドルは1.5482ドルの安値から1.55ドル半ばまで下げ幅を削った。ドル/加ドルはロンドン午前につけた1.0541加ドルのドル高・加ドル安水準から、1.0500加ドル付近までドル買いが後退している。ただ、株安の影響を受けやすいオセアニア通貨は対ドルで引き続き重く、豪ドル/ドルは0.90ドル付近まで戻した後は再び0.89ドル半ばの本日の安値圏へ押し戻された。NZドル/ドルも0.78ドル台を一時的に回復したが上値は重い。