NY為替概況 ECB緩和策でユーロは11年ぶり安値

2015年01月23日 07:27

NYタイムはドル高・ユーロ安。金利正常化が意識される米国と、緩和姿勢が続く多くの主要国との温度差がテーマとなったドル高地合いが意識された。ユーロドルは1.1316ドルと、2003年9月以来の安値を付け、ユーロ円も134.28円まで下押しした。欧州中央銀行(ECB)が、2016年9月末まで民間および公的部門の証券を月額600億ユーロ購入する追加緩和策を決めたことで、ユーロ圏金利の先安感が意識された。事前予想では、購入額が月500億ユーロが中心だったため、予想を上回った感じだ。また、ドラギECB総裁は「利回りがマイナスの国債も購入する」、「中期的なインフレ目標と整合性があると確認できるまで実施する」と述べ、打倒ディスインフレへの強い姿勢を示した。
 
関連市場では、ドイツ・スペイン・イタリアなどの欧州各国の金利が低下したほか、株式市場は刺激策を好感して大幅上昇した。
 
ユーロ中心にドル買いが進み、他通貨も対ドルで下落。ポンドドルは1.4973ドル、ドル/スイスフラン(CHF)は0.8751CHF、NZドル/ドルは0.7481ドル、豪ドル/ドルは0.7995ドル、ドル/加ドルは1.2420加ドルまでそれぞれドルに対して弱含んだ。
 
ドル円はしっかり。前半に117.25円までレンジ下限を広げる場面もあったが、1.80%付近へ低下していた米長期金利が1.90%付近へ戻したことを手掛かりに118.67円まで切り返した。一方で、クロス円は下落。ドル円の上昇によって下値はそれほど広がらなかったが、他通貨がドルに対して下げたため、上値は重かった。ポンド円は177.22円、CHF円は135.05円、豪ドル円は94.84円、NZドル円は88.49円、加ドル円は94.88円までそれぞれ下落した。
 
その他、本日発表された米経済指標では、新規失業保険申請件数が30.7万件と市場予想を上回ったが、市場への影響はほとんどなかった。