NY為替概況 ECB緩和姿勢を受けたユーロ売り継続

2014年11月22日 08:00

NYタイムはユーロ売りが継続した。ロンドンタイムにドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が追加緩和に前向きな姿勢を示したことからユーロが急落。NYタイムもその流れが続いた。同総裁は「インフレリスクが顕在化すれば資産購入を拡大する意向」と述べた。ユーロドルは2週間ぶりの安値1.2375ドルまで売られている。ユーロ円は145.70円、スイスフラン(CHF)円も121.21円と、3日ぶりの安値まで下落幅を広げた。他のクロス円も、ポンド円が184円前半、豪ドル円が102円後半から102円付近へ、NZドル円は93円台から92円後半へ下押し。
 
ドル円はクロス円での円買いや、東京タイムに麻生財務相が円安のスピードに懸念を述べたことを引きずり上値が重く、117円半ばへ水準を下げる場面が見られた。ただ、日本の3連休を控えた手控えもあるようで、取引レンジは限られている。選挙モードに突入したことが様子見姿勢を強めた感もうかがえた。終盤は株価の上下や米長期金利の低下への反応も鈍かった。
 
ユーロ以外も対ドルで上値が重く、豪ドル/ドルは0.87ドル台から0.86ドル後半、NZドル/ドルは0.79ドル台から0.78ドル後半へ反落。中国の金利引き下げを好感して上昇した値幅を縮小した。ポンドドルは対ユーロでの買いに支えられつつも、1.56ドル台で戻りが鈍かった。ドルCHFは0.9709CHFまでCHF安推移。リスク選好の地合いが、安全資産としてのCHF買いを滞らせた可能性がある。
 
加ドルは強い加消費者物価指数を受け、ドル/加ドルが1.1192ドル、加ドル円は2008年8月以来の105円回復となり、一時105.32円まで加ドル高が進行。加10月消費者物価指数は、前年比で予想+2.1%のところ+2.4%、同コアは予想+2.1%のところ+2.3%となった。ただ、買い一巡後は、ドル/加ドルが1.12加ドル半ば、加ドル円が104円半ばと、他通貨同様に対ドル・対円で動きを弱めた。