NY為替概況 雇用統計を好感したドル高は短命

2014年05月03日 06:26

NYタイムでは予想以上の強い結果となった米4月雇用統計をきっかけにドル買いが先行した。米長期金利の急上昇にも後押しされ、ドル円は103.03円まで上振れて4月8日以来の103円台を示現した。ドルは全面高となり、ユーロドルは1.3812ドル、ポンドドルは1.6823ドル、豪ドル/ドルは0.9203ドル、NZドル/ドルは0.8594ドル、ドル/加ドルは1.1004加ドルまで対ドルで売りを強めた。雇用統計では非農業部門雇用者数が28.8万人増と、市場予想中央値の21.8万人増を大きく上回り、前月分も上方修正された。失業率は6.3%へ大幅に改善し、2008年9月以来の低水準を示現した。労働参加率の低下はやや気掛かりだが、強さを感じさせる内容だった。
 もっとも、雇用統計が米国の早期利上げ期待を高めるほどの材料ではないとの見方が広がるなか、次第に短期筋を中心としたイベント通過後の持ち高調整が活発化した。ウクライナ各所でウクライナ軍と親ロシア派の衝突が激化し、複数の死傷者が発生しているとの報道も嫌気された。ロシアが国連安保理に緊急会合の開催を求めたとも伝わった。リスク許容度の低下もあわさって、ロンドンのフィキシングにかけて急速にドルが反落。ドル円はリスク回避的な円買いも重なり、前日安値に並ぶ102.13円まで下落した。米長期金利は雇用統計後に上昇してつけた2.697%から2.572%まで急低下。対ドルはユーロドルが1.3882ドル、NZドル/ドルが0.8670ドルまで上値を伸ばし、ポンドドルは1.68ドル後半、豪ドル/ドルは0.92ドル半ばへ持ち直した。
 クロス円はドル円に連動し、ユーロ円は142.45円から141.65円、ポンド円は173.50円から172.38円、豪ドル円は95.05円から94.59円、加ドル円は93.71円から93.02円へ上下。NZドル円も88.87円を高値に88円半ばへ失速した。
 
 
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