NY為替概況 買い要因に反応できずドル円は102円前半

2014年08月13日 06:45

NYタイム、ドル円は102円前半で上下。米金利は上昇したものの、ドル円は素直にドル買い・円売りを進めきれなかった。いったん落ち着きを見せたウクライナや中東の地政学的リスクも依然としてくすぶったままで、市場は強い方向感を示せない。
 
ドル円は米長期金利の上下に振らされる状態が先行したものの、次第に感応度を喪失していった。米10年債利回りは2.45%近くまで水準を上げたものの、ドル円は102.09円を底に102.20円台へ戻してからは値動きを次第に狭めていった。イエレンFRB議長ほかFRBメンバーが金融政策を運営していくうえで目安のひとつとして注目する求人労働移動調査において、求人件数が13年ぶりの水準467.1万件となるなど、賃金上昇の加速を意識させる内容となったことが債券市場では材料視されたようだ。米早期利上げの思惑が浮上しやすい状態となり、金利上昇が米株価の上値を抑える要因となったことも、リスク選好の円売りを進みにくくしたもよう。
 
ポンドは底堅かった。ロンドンタイム入り後の対ユーロでのポンド買いに加え、NY入りにかけては米長期金利の下振れによるドル弱含みをきっかけに、昨日高値1.6796ドルを上抜けた。1.6800ドル超えのストップロスの買いもつけ、1.6816ドルまで上値を伸ばした。ポンド円も3営業日ぶりの高値171.97円をつけた。ユーロドルは1.3370ドル付近、ユーロ円は136.70円付近まで緩やかに戻した。ロンドンタイム発表の弱い独・ユーロZEW景気期待指数が重しとなっていたが、対ドル・対円ではポンド上昇に連れて緩やかに巻き戻しが進んだ。
 
豪ドル/ドルは、米長期金利の低下が先行しドルが弱含んだことをたことをきっかけにじり高となった。米株価が一時プラス圏に戻したことが、リスク地合いへの感応度が高い豪ドルの下支えになる場面もあった。ただ、米金利がその後は持ち直すなど素直にドル売りが進む状態ではなく、上値は0.9277ドルまでにとどまった。豪ドル円も94.85円までわずかながらレンジ上限を広げた。ロンドン入りまで売りが先行していたNZドルは小幅に反発する場面もあったが、弱いNZ住宅価格指数が引き続き重しとなった。NZドル/ドルは0.84ドル前半、NZドル円も86円前半でもみ合った。
 
ドル/加ドルは1.0914加ドル、加ドル円は93.65円まで加ドル高となった。加統計局が、市場予想を大幅に下回った加7月雇用統計に誤りがあったことを発表。15日に修正値を公表するとしたことで、指標の改善期待が高まった。
 
 
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