NY為替概況 調整のドル売り続かず、米ISMは堅調

2014年12月02日 07:25

NY為替市場では、調整のドル安が一巡。日本の格下げを受け、ドル円が株安を伴いつつ高値から一時1円超反落したことで、対主要通貨でもドル売りとなったが、市場予想を上回った米11月ISM製造業景況指数がドル安の流れを後退させた。本指数の内訳の雇用指数は前回の55.5から54.9に低下しているが、新規受注は66.0と高水準を維持。米利回りが上昇したこともドルをサポートした。
 
 ハト派とされるダドリーNY連銀総裁は「来年のある時点で利上げすることが好ましい」との見方を繰り返したうえで、「マーケットの状況が利上げペースのカギを握る」との認識を示した。利上げペースに踏み込んで言及している。中立のフィッシャーFRB副議長は「原油安のインフレに対する影響は一時的」とし、「米失業率の低下は想定より早い」との見解を示した。両者ともに利上げ開始に向けて軸足をやや移している印象だ。
 
ドル円は117.86円まで下げた後、118円前半へ下げ幅を縮小。ユーロドルは1.2507ドル、ポンドドルは1.5764ドルまで上昇後、高値からやや押し戻されている。豪ドル/ドルは0.8532ドルまで一時強含み。2011年高値を基点とした下降チャネル下限が今週で0.8463ドルに位置しており、この水準を下回った後に反転している。ドル/加ドルは原油の下げ一服を受けて、1.1314加ドルまでドル安・加ドル高推移。
 
ユーロ円は147円半ばから後半で円買いが優勢。ポンド円は186円前半でしっかり。加ドル円は104.55円まで、NZドル円は93.46円まで高値を更新。