NY為替概況 米GDPでドル売り FOMCほぼ無風

2014年05月01日 06:26

NYタイムではドルが下落。米1-3月期GDPが前期比年率で+0.1%と、寒波の影響を考慮して控えめに設定された市場予想の+1.2%を大きく下回ったことが嫌気された。一方で同個人消費は+3.0%と、予想の+2.0%を上回る堅調な伸びを示した。個人消費はGDP寄与度でも+0.24%と大きく貢献したが、民間投資や在庫投資、純輸出などが総じて落ち込み全体の足を引っ張った。ドル円はGDPに先立って発表された米4月ADP全国雇用者数が22.0万人増となり、週末の米雇用統計に期待をつないでつけた102.67円から反落。米長期金利が低下幅を広げる動きにあわせ、102.03円まで下落。25日以来の安値を示現した。
 午後になって米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が伝わったが、ほとんどサプライズはなかった。量的緩和第3弾(QE3)にともなう、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の月間購入額が、予想通りにそれぞれ50億ドルずつ縮小された。声明では経済活動は上向いたとし、成長は悪天候が一因で冬季に著しく減速したが最近になって改善したとの認識を示した。一方でQE終了後も相当な期間にわたって低金利を維持する、極めて緩和的な政策が適切であることが再確認された。低金利政策の長期化が意識されて米株価が底堅く推移する一方、債券高(利回り低下)の動きが次第に強まったことで、ドルは上値の重い動きを続けた。
 米GDP後のドル安でユーロドルは1.3877ドルまで反発。想定の範囲となったユーロ圏4月のインフレ指標を受けて、来週のECB理事会では現行の政策が維持されるとの思惑が広がっている。ポンドドルは2009年8月以来のポンド高水準となる1.6901ドルまで上値を伸ばした。豪ドル/ドルは0.9301ドル、NZドル/ドルは0.8633ドルまで対ドルで上昇。クロス円は、ドル円の下落による円買いと、対ドルの底堅さに挟まれた推移。ユーロ円は141円半ばから後半、ポンド円は172円半ば、豪ドル円は94円後半を中心レンジに上下。NZドル円は88.19円まで日通しの高値を塗り替えた。