NY為替概況 米平均時給弱い、ドル買いからドル売りに転換

2015年01月10日 07:25

NY為替市場では12月の米雇用統計を受けてドル売りに。非農業部門雇用者数(NFP)が拡大を続け、前回11月分は上方修正されたほか、失業率は2008年6月以来の低水準を記録したことを手がかりに一時ドル買いが優勢に。その後は賃金の伸びが加速しなかったことが蒸し返されドル売りに傾斜した。
 
ただ、米国の労働力人口がさほど伸びていないなかで、NFPの拡大ペースは十分に強く、労働市場の引き締まりは継続している。今回の平均時給の弱さは否めず24ドル半ばで高止まりしているが、賃金の伸びは加速に向けた秒読み段階に入っていると思われる。
 
ドル円は119.80円付近まで戻した後、118.42円まで安値を更新。米株価指数が反落したことも円買いにつながった。NY原油先物にも売りが強まり、一時的に原油安・株安パターンが再び顔を覗かせた。ユーロドルは1.1762ドルまで下げてから1.1846ドルまで強含み。反対派の抵抗が根強く、欧州中央銀行(ECB)による国債購入の規模が想定されたほど膨らまない可能性も意識された。ポンドドルは1.51ドルちょうど付近で下げ渋り、1.51ドル半ばでしっかりと推移。豪ドル/ドルは0.8209ドルまで上昇した。ユーロやNZドルに対する豪ドル買いも寄与。
 
ドル/加ドルは弱い加雇用統計を受けた加ドル売りで、1.1890加ドルまでドル高・加ドル安推移。その後はやや反転している。加ドル円は99.78円まで下げ幅を拡大した。
 
豪ドル円を除いてクロス円は軟調。ユーロ円は140.20円、ポンド円は179.47円、NZドル円は92.76円まで下げた。原油安・株安が重し。