NY為替概況 欧州高官の緩和めぐる発言を受けユーロ底堅い

2014年04月08日 06:28

NYタイムは、資産買い入れなど非伝統的な金融緩和策からやや距離感を保った欧州高官の発言を受け、ユーロなど欧州通貨買いが先行した。メルシュECB理事は「量的緩和は理論上の概念、実施までの道は長い」、ノボトニー・オーストリー中銀総裁は「追加利下げは排除されていない」としながらも「直ちに行動する必要はない」と述べた。ユーロドは一時1.3749ドルまで上昇。ポンドドルも1.6624ドルまでじり高となった。米10年債利回りが一時2.681%まで低下し、ドルが重い動きとなったことも、対ドルでの各通貨の支援となった。ユーロ円も141.88円、ポンド円は171.61円まで一時水準を上げた。
 ドル円は、米株式が軟調に寄り付いたことや米金利の低下から、本日のレンジ下限103.00円に近づいた。しかしユーロ円ほかクロス円の上昇に引っ張られ103.20円台まで一時戻すなど、103円の節目は維持した。ただ、対ドルでの各通貨の堅調さに連れたクロス円の円売りだけではけん引力にも限界があり、その後はユーロ円が141.60円付近、ポンド円が171.10円台へ水準を下げ、ドル円も再び103.10円前後へとやや下押しての上下に終始した。
 オセアニア通貨は下げ渋った。米長期金利が低下するなか、対ドルでオセアニア通貨は買い戻され、豪ドル/ドルは0.9254ドル、NZドル/ドルは0.8573ドルを安値に小幅に反発。豪ドル円は95.34円から一時95.70円付近、NZドル円は3月28日以来の安値88.50円から88.90円付近まで上昇する場面もあった。加ドルも、ドル/加ドルは1.0962加ドル台、加ドル円は94.10円付近まで加ドル買いが一時進むなど、資源国通貨は下値での底堅さを感じさせた。