NY為替概況 株高・ドル高・債券安、強い米雇用統計が背景 早期利上げ期待までは強まらず

2014年07月04日 06:36

NYタイムの為替市場はドル買いが優勢となった。今週の大イベントの米雇用統計が強い結果となったのが背景。米6月非農業部門雇用者数は市場予想の21.5万人増を大きく上回る28.8万人増となり、失業率も市場予想の6.3%に対し6.1%に改善した。雇用者数の伸びが20万人を超えるのは5カ月連続で、失業率は2008年9月に並ぶ5年9カ月ぶりの低水準となった。この結果を受けて株高・債券安が進み、ドルが買われた。ダウ平均は史上初で節目の1万7000ドル大台を突破し、米10年債利回りは一時2.68%付近まで上昇した。ただし、賃金の上昇が鈍く、利上げの前倒しを促すような内容とは言えず、米10年債利回りは2.64%付近まで上げ幅を縮小し、ドルの上昇も限られた。また、米6月ISM非製造業景況指数は市場予想や前回をわずかに下回ったものの、ここ約1年では2番目に高い水準となり、市場の反応は限定的にとどまった。
 
ドル円は102円大台を乗せると102.27円まで上値を伸ばし6月18日以来の高値をつけた。東京タイムにスティーブンスRBA総裁の豪ドル高へのけん制発言を受けて弱含んだ豪ドル/ドルは0.9329ドルまで一段安となり、NZドル/ドルは0.8718ドルまで弱含んだ。ポンドドルも一時1.7103ドルまで売りが強まったが、英早期利上げ期待感を背景に下値は堅く1.71ドル半ばに切り返した。また、ドル/加ドルは1.0681加ドルまでドル高・加ドル安が先行したが、1.0621加ドルまで加ドルの買い戻しが進んだ。この日発表された加5月貿易収支は1.5億加ドルの赤字となり、市場予想の赤字額を下回った。クロス円は方向感の見定めづらい展開となるも株高を背景に底堅く推移。ポンド円は2008年10月以来の175円台を回復すると175.37円まで高値を更新し、加ドル円は1月10日以来の96円台に乗せて96.23円まで上値を伸ばした。また、NZドル円は89.55までレンジ上限を広げたほか、軟調の豪ドル円も95.33円を安値に下げ渋った。
 
ユーロはドルの全面高を背景に対ドルでは下落するも、対円では小じっかり。欧州中央銀行(ECB)は市場予想通りに政策金利の据え置きを決定。ドラギECB総裁の記者会見内容もサプライズに欠けたことから、市場の反応は限定的にとどまったが、総裁が長期にわたる低金利政策を維持する方針を改めて強調したことはユーロの重しとなった。ユーロドルは1.3596ドルまで弱含んだが、ユーロ円は139.30円までレンジ上限を広げるなど139円前半で小じっかり推移。
 
 
アウトドア&スポーツ ナチュラム