NY為替概況 強い米製造業受注などドル高・円安

2014年06月04日 06:48

NYタイムは、予想より強い米指標結果の発表後、米長期金利の上昇を後押しに、ドル円は一時102.56円まで上昇した。5月2日以来の高値圏での推移となっている。米4月製造業受注指数(結果 前月比+0.7%、予想+0.5%、前月分+0.9%から+1.5%方修正)、米6月IBD/TIPP景気楽観度指数(結果47.7、予想47.0、前月45.8)はともに市場予想を上回った。米10年債利回りは2.599%と、5月14日以来の2.6%回復に迫った。米株価は軟化して寄り付いたが、ダウ平均が前日比マイナス水準ながら多少下落幅を縮小しながら推移し、大阪・日経225先物は日中取引の終値を40円上回る15070円まで一時上昇したことなども、リスク回避の円買いを後退させた。日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)運用方針転換による海外資産への投資拡大や、法人減税措置の進展によるアベノミクス相場再燃への海外勢の期待も、欧米タイムでの円売りを支える一因となっているようだ。
 ユーロは米長期金利上昇によるドル強含みを受け、対ドルで伸び悩んだ。ユーロドルはNY入りを控え、昨日のレンジを上回る1.3648ドルまで上昇していた。しかし1.3620ドル付近まで反落。ポンドドルも1.6731ドルまで水準を下げた。ロンドンタイム、英建設業PMIの発表を前に思惑的なポンド買いで1.6782ドルまで上昇したものの、結果は4カ月連続の低下で高値から失速。NYタイムは米長期金利上昇によるドル買いが、さらにポンドドル下落を後押した。ユーロ円は米指標発表前に139.75円まで上昇後、139円後半で推移。ポンド円は171.82円の高値から171円半ばへ一時押し戻されつつも、ドル円を中心とした市場全般的な円安推移に支えられ、一定の底堅さを保った。スイスフラン(CHF)は対ドルでは0.8960CHF台と軟調、CHF円は114.42円まで円安推移となった。
 資源国通貨はまちまち。豪ドル/ドルは、やや上値に重さが感じられたものの、0.92ドル半ばレンジを維持。足元で弱含んだユーロに対する豪ドル買いも、下値を支える一因となったようだ。一方で豪ドル円は94円後半でじり高。NZドル/ドルは3月6日以来の安値0.8419ドルまで水準を下げた。NZ乳業大手フォンテラが行った入札で、乳製品価格が前回入札から4.2%低下したことが嫌気された。NZドル円は、対ドル中心の円売りを支えに一定の底堅さを維持していたが、NZドル/ドル安に連れ、終盤には昨日安値にほぼ並ぶ86.29円まで水準を下げた。加ドルは対ドルでは1.092加ドル付近で軟調、加ドル円は94.01円までじり高となった。