NY為替概況 円全面高 NZドルは声明受け急騰

2014年12月11日 07:16

NYタイムは円高とNZドルの急騰が目立つ展開。NYの原油先物価格が60ドル台まで下げ足を速めたことも背景に、エネルギーセクターを主導に米株価が大きく下落。リスク回避傾向が強まるなか、米長期金利が低下幅を拡大させたことも重しとなってドル円やクロス円は揃って下落した。前日と同様のパターンだったが、この日は関連市場で巻き戻しの動きが強まらなかったことから、NYタイムを通じて円買い圧力が継続した。
 
午後になってドル円は117.70円、ユーロ円は146.53円、ポンド円は184.97円、豪ドル円は97.78円、スイスフラン(CHF)円は121.77円まで下値を拡大。揃って昨日の急落時につけた安値を下回った。加ドル円は102.55円まで一段安。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫が予想外に増加したことも原油安を一段と促し、産油国通貨の加ドルを圧迫した。
 
NZドル/ドルは終盤に0.76ドル後半から0.7833ドルへ、NZドル円は90.71円まで下値を広げた後に92.47円まで急騰した。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は予想通りに政策金利を据え置き、声明ではNZドルのさらなる下落を予想した。ただ、先行きの緩やかな金利上昇予想を維持し、成長やインフレに楽観的な態度を示したことに市場は反応した。ウィーラーRBNZ総裁は原油価格の下落を歓迎したほか、今後2年で成長が加速する見通しを示唆。利下げを実施する環境にはないと明言した。
 
ユーロドルは1.2448ドルと、前日のドル急落局面でつけた水準に並んだ。ここにきて、市場の一部では欧州中央銀行(ECB)による国債を通じた量的緩和策の導入が、来年1月の会合では見送られるとの見方も高まってきている。翌日に長期オペ(TLTRO)の応札額公表も控えてショートカバーが優勢。ユーロが主要通貨に対して堅調だったため、ポンドドルは1.57ドル前半、豪ドル/ドルは0.83ドル前半では上値の重い推移。クロス円の動向にも圧迫された。ドル/加ドルは原油安も重しに1.1502加ドルと、年初来の加ドル安水準を示現した。
 
 
 
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