NY為替概況 円全面高 ドル円は109円割れまで調整

2014年10月02日 06:17

NYタイムでは円が全面高となった。米経済指標の弱含みを受けてドルが売られる場面もあったが、株安や米長期金利の低下を受けて円買い戻しが優勢となった。米国でエボラ出血熱と診断された患者が出たことも市場のセンチメントを悪化させ、ダウ平均は一時250ドル安付近まで大幅下落。米10年債利回りは逃避的な債券需要も背景に2.40%割れまで低下幅を広げた。リスク回避の様相を呈するなか、ドル円は下値模索を続けながら引け間際に108.87円まで下値を拡大。東京タイムに6年ぶりの110円乗せを果たし、短期的な達成感も意識されるなか調整が加速した。クロス円も全面安。ユーロ円は先月10日以来の安値となる137.41円まで、ポンド円は176.19円、豪ドル円は95.10円、NZドル円は84.71円、加ドル円は97.48円までそれぞれ安値を塗り替えた。
 
この日発表された米9月ADP全国雇用者数は+21.3万人と、市場予想の+20.5万人をわずかに上回った。同データでは6カ月連続で20万人を超える雇用増が確認された。ただ、コンセンサスとのブレは少なく、ドル買いは限定的。その後発表された製造業PMIの下方修正や、ISM製造業景況指数の予想以上の鈍化がドル売りにつながった。もっとも、ユーロドルは1.2640ドル、ポンドドルは1.6252ドルまでの上振れで失速。ポンドドルは対ユーロでのポンド安やクロス円の下落が重しとなって、1.61ドル後半まで反落している。
 
豪ドル/ドルは弱い米指標を受けたドル売りで、序盤に日通しのレンジ上限付近となる0.87ドル半ばへ上昇し、NZドル/ドルは0.7861ドルまで高値を更新した。ただ、NZドルはNZ乳業大手のフォンテラが実施した電子入札(GDT)で、物価指数が前回から大きく低下していたことを嫌気して0.77ドル半ばへ急落。豪ドルも上昇一巡後はNZドルの下落につれて上げ幅を縮小させた。
 
 
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