NY為替概況 リスク回避後退で円高落ち着く
2014年07月19日 09:08
マレーシア航空機の撃墜から一夜空けたNY市場で、リスク回避ムードは後退している。昨日急騰した米債には利益確定の売りが入ったうえ、恐怖指数VIXも反落。米株価指数は反発して始まった後、上げ幅を拡大した。
墜落の原因について、ウクライナで活動する新ロシア派が地対空ミサイルSA11によって撃墜したとの見方を米国を中心とした西側は強めている。墜落機のブラックボックスはウクライナ部隊が二つ回収したとの報道はあるが、所在地に関する情報は錯綜したままで、はっきりとはしていない。オバマ米大統領はウクライナ問題に関して武力介入しない方針を再度示しており、大規模な武力衝突が発生する可能性は低いが、多くの民間人死者が発生した今回の一件がどのように決着するのか、情勢は混沌としている。
ドル円は101.40円付近、ユーロ円は137円ちょうど付近で方向感が乏しい。ポンド円はポンド売りから172.68円まで下げた後、173円前半へ戻した。
ユーロドルは1.3491ドルまで下落し、2月以来の安値を更新。特にきっかけも見当たらないなか、ユーロ売りが強まりサポートとなっていた1.3500ドル水準をブレイクした。米7月ミシガン大学消費者信頼感指数や米6月景気先行指数が弱かったこともあり、その後は1.35ドル前半へしっかりと戻した。ユーロドルは目先の安値をつけたような足型となっている。ポンドドルは21日移動平均線を下回り1.7037ドルまで下げたが、1.70ドル後半へと切り返した。
加ドルは強い加消費者物価指数を受けて買いが入った。ドル/加ドルは1.0709加ドルまで加ドル高推移。ただ、カナダ銀行(BOC)がインフレ加速は一時的な現象と割り切っているなかで、政策金利に対する思惑は高まらず、加ドル買いに勢いはない。
豪ドル/ドルは0.9410ドル、NZドル/ドルは0.8694ドルまでドル安に振れたが、一時的な動きにとどまっている。