NY為替概況 リスクオン一服、地政学リスク払しょくできず

2014年09月04日 07:42

NYタイムでは、ウクライナでの停戦期待からロンドンタイム序盤に進んだリスクオンの流れは一服。ドル円は、2.4%付近へ低下した米長期金利に連動して、105.10円付近から104.72円まで下げた。ウクライナのヤツェニュク首相が、露との合意に悲観的な見解を示したことが意識されたほか、明日の日銀金融政策決定会合を控えた利食い売りが持ち込まれた。関連市場では、買い先行で始まった米株価が上昇幅を縮めたことがドル円の重しとなった。午後に公表された米地区連銀経済報告では、「個人消費の伸びは多くの地区で小幅ないし緩やか」、「新築住宅建設、中古住宅販売は伸び緩慢」、「成長ペースに大幅な変化はない」と足元の緩やかな回復が続いているとの認識が示された。ただ、米国の早期利上げ期待を強めるような文言もなく、市場への影響は限定的だった。
 
クロス円も伸び悩む格好に。ユーロ円は137.69円、ポンド円は172.38円までレンジ下限を広げたほか、スイスフラン(CHF)円は114円前半で上値が重くなった。
 
ドルストレートは底堅い展開。ドル高の流れが小休止したことで、ユーロドルは1.31ドル半ば、ポンドドルは1.64ドル半ば、ドルCHFは0.91CHF後半でドル安推移となった。
 
また、加ドルはしっかり。予想通り政策金利を1.00%で据え置くと発表したカナダ銀行声明で、「米回復は軌道に戻りつつある」、「カナダの住宅市場は予想より強い」など経済に対する前向きな見方が示されたことが材料となった。ドル/加ドルは1.0871加ドル、加ドル円は96.49円まで加ドル高が進んだ。とはいえ、「インフレリスクは均衡」としたことから、利上げ期待が強まらなかったこともあって、加ドル高の流れは限られた。
 
そのほかでは、豪ドルが上昇幅を拡大。東京タイムに行われた講演で、スティーブンスRBA総裁が「政策金利を通じて住宅価格をさらに押し上げるのは賢明ではない」と、追加緩和の可能性が低いとの認識を示したことが焼き直され、取引参加者のショートカバーを誘発した。また、東欧の地政学リスク低下を通じたユーロ圏経済の回復期待を背景に、資源需要が増加するとの見方も支えとなった。豪ドル/ドルは0.9351ドル、豪ドル円は98.14円と昨年5月以来の高水準まで上昇幅を広げる場面がみられた。
 
 
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