NY為替概況 リスクオフ地合いは一巡も警戒感は残る

2014年08月29日 06:20

NYタイムでは、ウクライナ情勢を背景にしたリスク回避の流れは一服。米株価の下落や長期金利の低下も限定的だったことで、逃避的な円高圧力も後退した。ロシア部隊がウクライナ東部のドネツクに侵入したことを受け、ポロシェンコ・ウクライナ大統領は安全保障国防会議の緊急会合を招集。英政府筋からは、国連安全保障理事会がウクライナ問題で緊急会合を開催するとも伝わった。また、メルケル独首相はEUサミットで対露制裁強化の可能性を協議すると発言している。ただ、先行きの不透明感や緊張感が持続するなかではあったが、市場が動揺するような事態の悪化も伝わらなかったため、徐々に落ち着きを取り戻していった格好。
 
もっとも、朝方に発表された米経済指標の好感できる内容に市場は反応しきれないなど、ネガティブなムードは払しょくできない状態。米4-6月期国内総生産(GDP)・改定値は+4.2%と、速報値の+4.0%から上方修正された。同個人消費も予想を上回ったほか、新規失業保険申請件数は2週連続で20万件台へ減少。7月中古住宅販売保留件数指数も前月比での伸びが予想以上となるなど総じて良好な内容だったが、ドル円はGDP発表後に上振れてつけた103.90円前後で戻りがいっぱい。ユーロ円も137円手前まで反発したが程なく失速している。ポンド円は172円前後、豪ドル円は97円付近、NZドル円は87円近辺まで安値から持ち直したが上値も限定的だった。
 
ウクライナ問題で、地理的に影響がもっとも懸念されるユーロは、序盤に対ドルで1.3159ドルまで下値を拡大したが、直近安値水準を前に下げ止まった。独8月消費者物価指数は前月から横ばいで着地し市場予想と一致したため、翌日のユーロ圏インフレ指標への警戒感はさほど広がっていない。ポンドドルは1.65ドル後半、豪ドル/ドルは0.93ドル半ば、NZドル/ドルは0.83ドル後半で伸び悩みが継続した。
 
 
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