NY為替概況 ユーロ軟調、61.8%押しは意識されるか

2014年09月25日 06:46

NY為替市場では、ユーロドルが1.2774ドルまで下げ、昨年7月以来の安値を更新した。米金融政策のシフトを見越したドル買い圧力が残存しているうえ、米国とは対照的にユーロ圏の景気は減速が明らかで、金融緩和措置の拡大も視野にあり、ユーロ安・ドル高の流れが止まっていない。本日発表された独Ifo景況感指数は低下が続いている。ただ、2012年7月安値と今年5月高値の61.8%押しが1.2788ドルとなっており、この水準の前後でユーロドルは下げ渋った。
 
米新築住宅販売件数が2008年5月以来の高水準を記録したこともドル買いを誘った。本件数は長らく低迷しているが、上向きトレンドがみえつつある。
 
本日はメスター米クリーブランド連銀総裁とエバンス米シカゴ連銀総裁の発言が伝わっている。メスター総裁はタカ派的なスタンスを示しつつ、「ドル高による(経済への)影響はあるが、主要なリスクではない」と語り、ハト派のダドリーNY連銀総裁をけん制した。ダドリーNY連銀総裁は今週ドル高に言及して話題となっている。
 
エバンス総裁は「利上げは辛抱強く待つべき」、「現在直面しているリスクは早計な利上げ」と述べ、相変わらずハト派色が強かった。「3-4%の賃金上昇はインフレ圧力につながりそうにない」とも語っている。賃金の伸びが多少加速したとしても利上げにはつながらないとの認識を示しているようだった。米利上げ見通しがあるとはいえ、タカ派とハト派の主張のかい離は甚だしい。
 
ポンドドルはユーロドルにつれて1.6328ドルまで軟化。ドル/加ドルは1.1122加ドルまでドル高・加ドル安推移した後、1.1053加ドルまで加ドル買いが優勢に。ドル円は109.15円まで水準を切り上げている。株高や米利回りの上昇が加速した。
 
対ドルで欧州通貨や加ドルが軟化したことで、ユーロ円は139.01円、ポンド円は177.64円、加ドル円は97.78円まで下落。その後、加ドル円は98.67円まで上昇に転じた。豪ドル円は96.90円、NZドル円は88.08円まで強含み。ユーロ円は139円半ばへ切り返した。