NY為替概況 ユーロ急落 ECBは緩和と資産購入策を決定

2014年09月05日 06:25

NYタイムはユーロが大幅急落。欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に踏み切ったことが重しとなり、ユーロドルは昨年7月10日以来の安値となる1.2920ドル、ユーロ円は8月上旬以来となる135.97円まで下げ幅を広げた。ユーロには、リアルマネー系の売りが出たとの声も聞かれた。
 
ECBは、リファイナンス金利を0.1%引き下げ、過去最低の0.05%とすることを決めた。また、上限金利の限界貸出金利を0.30%へ、下限金利の中銀預金金利を-0.20%へそれぞれ引き下げた。また、資産担保証券(ABS)およびカバードボンドの買い入れを10月から実施することもあわせて決定した。そのほか、ECBスタッフ見通しでは「2014年の成長見通しを前回の+1.0%から+0.9%へ」、「今年のインフレ見通しを前回の+0.7%から+0.6%へ」それぞれ下方修正した。
 
ユーロの下落に連動して、ポンドやスイスフラン(CHF)も軟調。ポンドドルはスコットランドの独立をめぐる不安感も加わり、1.6330ドルまで下落。ポンド円も171.76円まで下押しした。ドルCHFは0.9329CHF、CHF円は112.79円までCHF安が進んだ。
 
一方で、資源国通貨は総じて底堅い展開。ユーロ圏に対する金利面での優位性や、ECBの景気刺激策による資源需要の増加期待が下支えとなり、豪ドル/ドルは0.9393ドル、豪ドル円は98.59円、NZドル/ドルは0.8351ドル、NZドル円は87.64円まで高値を塗り替えた。ただ、NZドルについては、対豪ドルでの売りが後半強まったため、NZドル/ドルは0.8297ドル、NZドル円は87円前半まで下げた。加ドルは、予想を上回った加貿易データも好感され、ドル/加ドルは1.0821加ドル、加ドル円は97.00円近くまで加ドル高が進んだ。
 
ドル円はしっかり。ECBの利下げを通じたドル高の流れにサポートされて、1月2日につけた年初来高値105.45円に迫る105.38円までレンジ上限を拡大した。米8月ADP全国雇用者数(結果 +20.4万人、予想 +22.0万人)や、新規失業保険申請件数(結果 30.2万件、予想 30.0万件)が予想よりもさえない結果となったことから、104円後半へ押し戻される場面もあった。また、同8月ISM非製造業PMIは59.6と9年ぶりの高水準となったが、市場への影響は限定的だった。