NY為替概況 ユーロ売り続く、ポルトガル格上げ

2014年05月10日 06:07

為替市場では、欧州通貨へ売りが続いた。昨日のドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の口先介入以降、ユーロ売りが継続的に入っている。21日移動平均線を下抜けたユーロドルは約1カ月ぶりの安値を更新し、90日移動平均線まで下落。NYクローズ間際に格付け会社ムーディーズが、ポルトガルをBA2に格上げしたうえで一段の格上げもあるとしたが、市場参加者はほぼ不在で反応は見られなかった。
 ウクライナ情勢も影を落としている。ウクライナ東部ドネツク州で、自治拡大の是非を問う住民投票が予定通り11日に行われる予定だ。ロシア編入後に初めてクリミアを訪問したプーチン露大統領は「各国はロシアを、歴史的正義の正当性を、自己決定権を尊重しなければならない」と述べた。プーチン露大統領は住民投票の延期を呼びかけたものの、親ロシア派の意向を尊重するようだ。
 ユーロドルは1.3745ドル、ポンドドルは1.6832ドルまで下落。利益確定のドル買い戻しを交えて下げ幅を広げた。対主要通貨のドル高に連動し、豪ドル/ドルは0.9347ドル、NZドル/ドルは0.8604ドルまで安値を塗り替えた。ドル/加ドルは弱い加雇用統計もあって、1.0916加ドルまでドル高・加ドル安推移。
 ドル円は101円後半で小動き。101.86円まで水準を切り上げる場面はあったが、ウクライナ情勢が警戒されるため上値には慎重だった。ただ、米株式市場は底堅い。ユーロ円は139.88円まで下落。ポンド円は171円前半で下げ一服となったが戻りは鈍い。NZドル円は87.52円、加ドル円は93.25円まで下げた。