NY為替概況 ユーロドル、年初来安値を更新後に戻す

2014年09月23日 06:47

NY為替市場では、中国景気の先行き懸念を背景とした資源国通貨売りが続いたほか、ユーロが軟化した。ドラギECB総裁は「欧州の景気回復は勢いを失っている」と述べた。これまでと同様に失業率の高さに不満を表し、「ECBは物価動向のリスクを精査」するとしている。鈍化し続ける消費者物価指数次第では追加措置も否定できない。「融資の需要の問題に直面している」とも述べ、先週行われたTLTROの低調さに懸念を示した。ユーロ圏の景気回復がおぼつかないなかで、企業や家計の資金需要が弱いことは想定内だが、本日の発言はTLTROの成功を確信するような従来の内容とは対照的だった。
 
ユーロドルは1.2816ドルまで下げ、年初来安値を更新。ユーロ円は139.73円まで弱含み。豪ドル/ドルは0.8853ドル、NZドル/ドルは0.8099ドルまで下げ幅を拡大。ただ、NY終盤にかけては全般的なドル売りも入り、ユーロドルは1.28ドル半ばまで戻した。
 
ドル/加ドルは1.1038加ドル、加ドル円は98.58円まで加ドル売りが継続。ウィルキンスBOC副総裁が「余剰生産能力が解消されても緩和的な金融措置が必要となる可能性がある」と述べたことが背景。その他の発言内容もハト派色が強かった。
 
ドル円は108円後半へと重くなっている。ダドリーNY連銀総裁は「ドルの大幅な上昇は成長に影響する」と語ったほか、タカ派的な発言はみられず、ドルに調整売りを誘った。発表された弱い米中古住宅販売件数は材料視されず。本件数の回復トレンドがみられないなかで、弱い結果に驚きはなかった。ポンドドルは1.6368ドルまでわずかに上げ幅を拡大。