NY為替概況 ユーロドル、一時1.11ドル台へ下落

2015年01月24日 08:53

NYタイムの為替市場はドルが小幅反落。昨日来からのドル買いの流れが、週末を控えて巻き戻された。ただ、米国と他の主要国との金融政策の違いによるドル高の流れに変化はなく、ドルの下げ幅は限られた。経済指標では、米1月マークイット製造業PMI・速報値が53.7と、昨年1月以来の水準へ落ち込み、米製造業分野の改善が一服しつつある兆しが見られた。また、米12月中古住宅販売件数は504万件と、市場予想508万件を下回ったが、11月からはもち直したため、手掛かりにはならなかった。
 
ユーロドルは安値更新後に切り返した。昨日のECBの緩和規模が市場予想を上回ったため、イベント通過後も材料出尽くしとはならず、ユーロは売りが先行した。ユーロドルは2003年9月以来の安値となる1.1115ドルまでレンジ下限を拡大し、ユーロ円は1年4カ月ぶりの安値となる130.91円を示現した。その後、25日のギリシャ総選挙の結果によっては、来週以降、ユーロが反発する可能性があるため、ショートカーバーが強まり、ユーロドルは1.12ドル後半、ユーロ円は132円後半へ下値を切り上げた。安値から各々200p程度反発した。
 
しかし、クーレECB理事が「必要なら、さらなる行動をとるだろう」と述べると、買いの勢いも失速。その後はユーロドルが1.12ドル前半、ユーロ円が132円前半へ押し戻された。
 
ドル円は上値の重い展開となった。ドルの調整売りに圧迫されて117.54円まで下押しした。米製造業の改善が一服しつつあることも、ドル円の上値を重くした。その他のクロス円では、オセアニア通貨がさえない展開。豪州・NZの金融政策に対するハト派な見方が少しずつ高まっていることを受け、豪ドル円は93.06円、NZドル円は87.65円までレンジ下限を広げた。
 
加ドル円も軟調。加12月消費者物価指数は全体的に弱めだったが、予想よりも強い小売売上高に反応して95円前半まで買いが先行した。しかし、豪ドル円やNZドル円のさえない動きを受けて上値が抑えられると、94.67円まで安値を塗り替えた。加12月消費者物価指数・前年比は、市場予想+1.6%を下回る+1.5%となり、同11月小売売上高は市場予想-0.2%に反して+0.4%となった。