NY為替概況 ポルトガルの不安が緩和、材料不足で小動き

2014年07月12日 07:08

NYタイムの為替は全般的に動意が鈍かった。加ドルは弱い加雇用指標や原油価格の下落を受けて売られた。
 
ドル円は小動き。ダウ平均や大阪225先物が軟化後に持ち直した動きへの反応も限られ、101.30円付近から離れずに推移した。来週にイエレン米FRB議長の半期金融政策報告に関する議会証言が予定されている。本日は動意つながりそうな特段のイベントもなかったことから、すでに同証言へ向けた様子見ムードが週末相場の動意の鈍さを助長した可能性もある。米6月財政収支(結果705億ドルの黒字、予想765億ドルの黒字、前年同月1165億ドルの黒字)は材料にならなかった。
 
ユーロは軟化場面もあったが値動きは限られた。NY株式オープン前に1.3592ドルまで本日のレンジ下限を広げた。ポルトガルの金融懸念を引き起こしたエスピリト・サント銀行の株価が寄り付き後に上昇したものの、再びマイナス圏に沈んだことを嫌気したようだ。しかし、その後ユーロドルは1.36ドル台へ持ち直している。昨日は同行の経営状況を巡る懸念がユーロ売り材料となった。しかし本日は、損失がポルトガルや他国の金融機関に大きな影響を及ぼす可能性は少ないことが伝えられている。ユーロ円は137円後半の小幅幅な上下に終始した。ポンドも対ドルで水準を下げたが、おおむね昨日から戻してきた値幅を縮小する範囲。昨日安値を下回り1.7094ドルまで調整したものの、ここ最近の高値もみあいレンジ内の動き。ポンド円は引けにかけて一時173.12円まで調整した。
 
豪ドル/ドルは0.94ドル台から0.93ドル後半、豪ドル円は95円前半から95円ちょうど付近へ水準を下げた。スティーブンスRBA(豪準備銀行)総裁の「(米利上げ時に混乱が起こる可能性を考慮すれば)豪ドルは高すぎる」との発言が、豪紙ウェブサイトに掲載されたことが重しになったようだ。NZドル/ドルも0.88ドル前半から0.88ドルちょうど前後へ小幅に調整、NZドル円は89円前半で推移。
 
加ドルは下落。加雇用の悪化や、カナダの主要輸出品目である原油の価格下落が材料視された。加6月就業者数が予想外の9400人減となり、失業率も市場予想や前回の7.0%に対し7.1%に悪化。NY原油価格は2カ月ぶりの101ドル割れとなった。ドル/加ドルは1.0737加ドル、加ドルは94.33円まで加ドル安となった。