NY為替概況 ドル高・ユーロ安だが流れは弱い

2014年12月12日 07:16

NYタイムはドル高とユーロ安が先行。ドル円が上昇したことでクロス円も上値を伸ばす場面があった。この日発表された米11月小売売上高は+0.7%となり、市場予想の+0.4%を上回った。自動車を除くコアも+0.5%と予想の+0.1%に対して好調な結果。米新規失業保険申請件数は前週や予想より減少し、輸入物価指数の落ち込みも想定ほどではなく全体的に強い内容が並んだ。米株価の反発や米長期金利の上昇も支えに、ドル円は119.56円まで日通しの高値を更新した。週末の衆院総選挙で自民党が単独で300超、自公連立で3分の2の議席を獲得する見通しが報じられたことも、使いまわされた材料ながら円安を後押しした。
 
ユーロドルは1.2370ドルまで下値を拡大。欧州中央銀行(ECB)による長期オペ(TLTRO)の結果を受け、追加緩和期待が蒸し返されている面もある。ドル高地合いのなか、ポンドドルは1.57ドル前半、NZドル/ドルは0.78ドル付近では上値が重い展開。豪ドル/ドルはスティーブンスRBA(豪準備銀行)総裁が「豪ドルは対ドルで0.75ドルに近づくべき」と発言したことで、一時0.8215ドルまで急落する場面もあった。ドル/加ドルは引き続き原油安が重し。一時1.1550加ドルと、2009年7月以来の加ドル安水準を更新した。NY原油先物価格は続落し、節目の60ドルを割り込んだ。
 
クロス円も上昇。ユーロ円は148.06円、ポンド円は187.75円、NZドル円は93.32円まで高値を更新した。加ドル円も103.67円まで一段高。豪ドル円はRBA総裁の発言を受けて97.45円まで下落したあと、98.79円まで買われた。もっとも株価が上げ幅を縮小させ、米長期金利が上昇幅を縮めたため、終盤にかけては上値をけずる展開が優勢に。ドル円も118円半ばまで失速して引けた。