NY為替概況 ドル高、米雇用統計強くFOMCへ思惑強まる

2014年12月06日 07:23

NY為替市場ではドルが全面高。11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想以上に増加し、約3年ぶりの大幅な伸びを記録した。前月比で賃金の伸びが加速し、雇用環境が引き締まる兆候もみられた。政策金利見通しを反映しやすい米2年債利回りは0.63%台まで上昇し、2011年4月以来の高水準をつけている。米利上げ開始時期の接近が意識された。単月で賃金の伸びが加速したことに対して、米金融当局者は性急に対応しないだろうが、再来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、声明文における「相当な期間」との文言が削除される可能性は高まったといえる。FOMCにかけては思惑が相場を動かしそうだ。
 
ドル円は121.69円まで急伸し2007年7月以来の高値を更新。ユーロドルは1.2271ドル、ポンドドルは1.5569ドル、豪ドル/ドルは0.8315ドルまで下げ、それぞれ年初来安値を更新した。S&Pがイタリアを格下げしたこともユーロの重し。NZドル/ドルは0.7700ドルまで下落。加雇用統計がやや弱かったことや、原油価格の軟調さも背景に、ドル/加ドルは1.1476加ドルまでドル高・加ドル安推移。ただ、米雇用拡大は加経済にとってもプラスであり、加ドルには買い戻しが入っている。
 
ドル円の上昇に追随し、ユーロ円は149.51円、ポンド円は189.71円、加ドル円は106.42円、NZドル円は93.98円まで上昇。いずれも年初来高値を塗り替えている。豪ドル円は101.37円まで堅調に推移。