NY為替概況 ドル高、ユーロは対ドルで年初来安値更新

2014年12月20日 07:11

Yタイムはドル高・ユーロ安。日本・欧州・スイスと米国の金融政策をめぐる方向性の違いが意識された。ユーロドルは、序盤に1.2302ドルの高値をつけた後は下げに転じ、2012年8月以来の安値となる1.2221ドルまで下げ幅を拡大した。プラートECB理事は「責務を果たすためにちゅうちょしない」と述べ、ECBによる量的緩和拡大に含みを持たせた。また、ドル/スイスフラン(CHF)も、マイナス金利の導入が引き続き影響して、0.9846CHFまでCHFが下げた。
 
ドル円は底堅く推移。ユーロドルの下落を横目に見ながら119.64円と10日以来の高値をつけた。NYタイムには、複数の米当局者の発言が伝わったが、先日のFOMCで反対票を投じたコチャラコタ米ミネアポリス連銀総は、「インフレ期待が2%未満の間は利上げを見送るべき」、「インフレ目標達成へさらなる量的緩和の用意を」と語った。また、ラッカー米リッチモンド連銀総裁と、ウイリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁は利上げ時期が近づいていることを示唆したが、先日のFOMC声明を越える内容ではなかったことから、市場への影響は限られた。
 
クロス円はまちまち。ドル円と他通貨の動向に挟まれて、方向性は定まりづらかった。ユーロ円は146円前半、CHF円は121円前半で上値が重くなった一方で、ポンド円は186円後半で底堅く推移した。加ドル円もしっかり。原油先物価格が大きく反発したことが手掛かりとなった。加ドル円は、前半に102.35円まで下ぶれたが、その後は原油価格の上昇を受けて103円台まで戻す場面があった。
 
本日発表された加経済指標では、11月消費者物価指数・前年比は、エネルギー価格の下落を受けて、総合・コアともに市場予想や前月分から低下した。一方で、10月の小売売上高は前月比横ばいだった。