NY為替概況 ドル軟調 FOMCは慎重な姿勢崩さず

2014年06月19日 06:34

NYタイムでは米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表や、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見をこなしてドルが下落した。FOMCでは予定通り、月額の資産購入額が計100億ドル縮小された。声明では経済活動がここ数カ月で回復したとの認識を示す一方、「極めて緩和的な政策が引き続き適切」、「量的緩和終了後も相当な期間にわたって低金利政策を持続する可能性高い」とのスタンスが維持された。経済予測では今年と来年の失業率見通しを下方修正した。ただ、インフレ加速を示す最近のデータを横目に先行きの見通しは横ばいを維持。今年の成長予想は1-3月期の落ち込みを背景に引き下げられたが、来年以降の予測は据え置かれている。また、メンバーによる2015年末時点の金利予想値が前回からごくわずかに引き上げられた一方、2015年度中のゼロ金利解除予測の人数は1名減少するなど、全体的に微調整の範囲といえた。ただ、イエレン議長は「再投資の方法を見直しつつある」、「出口戦略の修正原則を今年中に発表する予定」など、正常化に向けた取り組みを継続させていることを会見中にさらりと述べている。
 直近の雇用統計や物価指標の結果を背景に、市場では当局者のスタンスがややタカ派寄りにシフトするとの期待もあったが打ち砕かれた格好。ドル円はFOMC結果公表後に瞬間的に上振れてつけた102.38円から、102円を挟んだ上下をこなして最終的に101.88円まで下落。金利正常化への道のりが長いとの見方を背景に、関連市場では米株価が上昇した一方で、米長期金利は2.60%割れまで低下。ドル円は金利の低下にもつられる展開となった。
 豪ドル/ドルは0.9412ドル、ドル/加ドルは1.0836加ドルまで対ドルで上昇。またNZドル/ドルは0.8736ドルまで上値を拡大させた。今後も断続的な利上げが見込まれるNZと、米国との金融政策面でのコントラストが大きく意識された。ユーロドルは1.3600ドルまで高値を更新して直近のレンジ上限を上抜けたが、対資源国通貨でのユーロ安に上値を圧迫されて伸び悩んだ。ポンドドルは1.70ドル近辺まで水準を回復。ユーロ円は138.82円まで上振れた後、ドル円の低下につれて上値を切り下げた。一方、豪ドル円は95.93円、NZドル円は89.06円まで対ドルに連動して上昇するなどしっかり推移。
 
 
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