NY為替概況 ドル売り続く、FRB議長の証言控え

2014年05月07日 06:18

為替市場ではドル売りが継続。先週末発表された強い米雇用統計でドル高の流れが出来なかったことが、失望感からドル売りにつながっているうえ、本日発表された英国や欧州のPMIは強く、ドル全面安の起爆剤となった。欧州中央銀行(ECB)理事会が迫るなかでも、ユーロドルは年初来高値に迫り、ポンドドルは2009年8月以来の高値を更新。NZドル/ドルは2011年8月以来の高値を塗り替えた。
 7日のイエレンFRB議長の証言に対する注目度は高く、これまでどおり低金利政策の維持を表明すると期待されている。
 米株式市場は軟調で米国債も買われたが、リスク回避パターンによる円買いは限定的。スペイン債やイタリア債に対する需要は依然として旺盛で、伊10年債利回りは3%を下回り、過去最低水準を更新した。
 ユーロドルは1.3952ドルを高値に1.39ドル前半まで調整。ポンドや資源国通貨でユーロ売りが継続し、ユーロドルを圧迫した。ポンドドルは1.6996ドルまで一段高となったが、1.7000ドルのオプションバリアの防戦売りはこなせず押し戻された。ドル円は101.50円まで軟化したが、2月以降のチャネル下限や昨年6月以降の上昇トレンドラインが101円半ばに位置しておりサポートとして意識されている。
 豪ドル/ドルは21日移動平均線を越えた後、0.9368ドルまで上げ幅を拡大。先月から続いた調整の豪ドル安に一服感が強まっている。ドル/加ドルは1.0874加ドルまで加ドルが上昇。G7はロシア産エネルギーからの依存脱却を目指す方向にあり、ウクライナ問題の展開の仕方によってはカナダ産エネルギーの需要が一段と高まる可能性もある。
 クロス円の方向感はまちまち。ユーロ円は141.36円まで失速、ポンド円は172円前半まで伸び悩んだが、加ドル円は93.46円、豪ドル円は95.18円まで水準を切り上げた。