NY為替概況 ドル売りは一時的 株安でも円は買われず

2015年01月15日 07:22

NYタイムではドル売りが先行した。朝方に発表された米12月小売売上高が、総合・コアともに市場予想を大きく下回ったことが手掛かりとなった。米10年債利回りは2013年5月以来の水準となる1.782%まで低下し、同30年債利回りは過去最低の2.393%を示現。ドル円は116.07円まで下値を広げて昨年12月16日以来の安値をつけた。ECBの債券購入プログラム(OMT)に関する欧州司法裁判所の見解発表を経て、短期的に材料出尽くし感のあったユーロドルは1.1847ドルまで反発。ポンドドルは1.5269ドル、NZドル/ドルは0.7780ドル、ドル/加ドルは1.1929加ドルまで対ドルで上昇し、豪ドル/ドルも0.81ドル半ばまで安値から持ち直した。
 
ただ、ダウ平均が一時300ドル安超まで売られ、米金利が低水準で停滞するなかドル円は117円半ばまでじりじりと下げ幅を縮小させた。リスク回避的な円買いは強まっていない。ユーロドルは1.17ドル後半、ポンドドルは1.52ドル前半まで高値から失速するなどドル安は一時的だった。ドル円の動向に引っ張られ、ユーロ円は138円半ば、ポンド円は178円後半、豪ドル円は95円半ば、NZドル円は90円半ばまで下値を切り上げる展開。米小売データはガソリンスタンド売上高の大幅な下振れが響き弱い結果となったが、雇用が拡大するなかで落ち込みは一時的との声が多かった。NY原油先物の急反発も、リスクオフムードを和らげる一因となった。
 
米地区連銀経済報告(ベージュブック)では大半の地区で緩慢ないし緩やかな成長が確認されたとの文言があった。ただ、ダラス連銀は原油安による成長の鈍化を報告した。為替の反応は限定的。