NY為替概況 ドル円118円後半へ、相当な期間は削除

2014年12月18日 07:14

NYタイムはドル円が上昇。前半は、一部報道が「クーレECB理事が大規模な資産購入が来年始まると示唆」と報じたことで、ECBによる量的緩和が想起され、ドル円は117円前半で底堅く推移した。後半は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表やイエレンFRB議長の会見を通じて株高・債券安によるリスクオンの流れが強まったことが材料となり、ドル円は118.91円まで一段高となった。また、ロシアルーブルが反発したことで、リスク回避ムードが和らいだことも、円の上値を重くした。
 
FOMCでは、FFレートの誘導目標レンジは0.00-0.25%に据え置かれた。また、注目された声明文では、予想通り事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとの文言は削除され、利上げ決定は「辛抱強くいられる」に変更された。FOMCメンバーが予想する利上げ時期については、「15年の初回利上げを予測する」が15人となり、9月時点の14人から1人増えた。また、来年の成長率予想の中央値は9月時点の2.6%-3.0%と変わらなかった。利上げに向けて一歩前進した感じではあるが、同時に利上げを急がない姿勢を示した格好となった。
 
関連市場では、ダウ平均が290ドル近く上昇したほか、米長期金利は2.15%付近まで水準を上げた。
 
クロス円もしっかり。株高・債券安に伴うリスク選好の流れが後押しとなって、ユーロ円は146.73円、ポンド円は185.03円、スイスフラン円は122.22円、豪ドル円は96.64円、NZドル円は91.92円、加ドル円は102.06円までそれぞれ上伸した。加ドル円に関しては、NY原油先物が一時59ドル付近まで反発したことも、上昇を後押しした。終盤に発表されたNZ7-9月期GDPは前期比が+1.0%と市場予想を上回った一方で、前年比は予想を下回るなど、まちまちだったことから、NZドル相場への影響は限られた。
 
一方で、他通貨はドルに対して下落。ユーロドルは、欧米の金融政策の方向性が違うことが意識されて、約1週間ぶりの水準となる1.2321ドルまで下落した。ポンドドルは1.5541ドルまで下げたほか、豪ドル/ドルは0.8107ドルと約4年ぶりの低水準を示現した。