NY為替概況 ドル円底堅い 米年内利上げ観測が支え

2015年01月21日 07:23

NYタイムの為替市場はドル円が底堅く推移。米国の利上げ先送り観測が後退したことがドルを下支えした。ドル円は118.87円までレンジ上限を広げ、12日以来の高値をつけた。序盤には、米国の株価が売り先行となったことで、リスク回避ムードの円買いが意識され、118.30円前後まで下落する場面はあった。しかし、株価が引けにかけてプラスサイドを回復したことで、リスク回避の流れは広がらなかった。米長期金利は1.758%まで低下後に1.8%付近へ戻した。
 
クロス円も、ドル円におおむね連動した。ユーロ円は136.80円近辺まで下押しした後に137円前半へ切り返し、豪ドル円は96.60円台まで下げた後に97円前半へもち直した。
 
ユーロドルは上値の重い展開。欧州中央銀行(ECB)理事会での量的緩和拡大観測が上値を抑え、ユーロドルは1.1540ドルまで押し返された。ポンドドルは買い先行後に反落。米国と同様に英国も年内の利上げ観測がくすぶっているため、ポンドドルは1.5200ドルまで買い戻しが進んだ。ただ、後半はドル高の流れに押されて1.51ドル半ばへ上昇幅を縮めた。
 
一方で、加ドルやNZドルは軟調。世界経済の成長鈍化懸念から供給過剰状態が今後も続くとの見方で、NY原油先物が大きく下げたことが加ドルを圧迫した。ドル/加ドルは2009年4月以来の加ドル安水準となる1.2114加ドルをつけ、加ドル円は97.73円まで弱含んだ。加11月製造業出荷が、市場予想-0.7%を下回る-1.4%となったことも重しとなった。
 
NZドルもさえない展開。物価指数の発表を控えた調整売りが進んだほか、消費者物価指数がインフレ鈍化を示唆する結果となったことが重しに。NZドル/ドルは0.7624ドル、NZドル円は90.57円まで下げ幅を広げた。昨年10-12月期消費者物価指数が前年比で+0.8%、前期比で-0.2%と、市場予想や前期の結果を下回った。また、乳業大手フォンテラが公表する乳製品価格の総合指数であるGDT価格指数は、前回から1%上昇したが、為替市場への影響は限られた。