NY為替概況 ドル円上値重い、株安でクロス円は軒並下落

2014年10月11日 10:47

 NYタイムの為替市場はドル高・円高の流れが継続。米国の早期利上げ観測はいったん後退しているが、今月末に米国の量的緩和第3弾が終了する見込みであるなど、主要国との金融政策の温度差が意識され、ドルには買い戻しが入った。一方で、円も上昇。ダウ平均が一時プラス圏を回復し、株安の連鎖が小休止する場面はあったが、反発の後押し材料はなく後半に下げ幅を広げたため、リスク回避に伴う円買いが強まった。
 
ドル円は円高に押されて107円半ばで上値が重くなった。ただ、幅広い通貨でドル高が進み下値は限られた。クロス円は軒並下げ幅を拡大。他通貨がドルに対して下げたほか、株安の影響も加わって、ユーロ円は135.83円、スイスフラン(CHF)円は112.36円、豪ドル円は93.45円、NZドル円は84.03円までそれぞれレンジ下限を拡大した。予想を大きく上回る9月就業者数を受けて96.67円まで上伸していた加ドル円も、96.00円まで反落した。
 
この日行われた米当局者の講演では、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁が「金利正常化は緩やかに行うべき」と述べたほか、フィッシャー・ダラス連銀総裁は「成長は今後半年で加速するだろう」としながらも、「米国には懸念するようなインフレ圧力はない」とするなど、景気に配慮する発言が並んだ。
 
ドルストレートはさえない展開。ユーロドルは、ドラギECB総裁の「必要なら追加措置を講じることに同意」との発言や、プラートECB理事が「ユーロ圏経済は勢いを失った」と語り、追加緩和観測や経済の鈍化懸念がくすぶり1.2605ドルまで下値を伸ばした。豪ドル/ドルは0.8680ドル、ドルCHFは0.9593CHFまでドル高推移。ドル/加ドルも、1.1161加ドルまで加ドル高が進んだ後に1.1220加ドル付近まで加ドルが下げた。
 
こうした中で、ポンドは比較的底堅い展開。対ユーロでポンドが買い戻されたことが手掛かりとなり、ポンドドルは1.6009ドルまで売られた後に1.60ドル後半へもち直した。ポンド円も172.74円を底値に下げ渋った。
 
カナダの9月就業者数は、市場予想+2.00万人を大幅に上回る+7.41万人となった。また、同失業率は2008年12月以来の低水準となる6.8%へ改善した。
 
 
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