NY為替概況 ドル円・クロス円調整、米雇用統計がきっかけ

2014年04月05日 06:25

為替市場では、米雇用統計の結果を受けてドルが売られる場面があった。非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想並に増加し、前回2月分は上方修正され冬場の雇用鈍化から回復が示されたが、失業率の低下傾向は一服しているほか、賃金の伸びは依然弱く、早期の米利上げ観測を強めなかった。今週、強い米雇用統計に対する警戒感から米国債は軟調で、本日はその反動もあって米利回りが大きく低下し、ドルを押し下げた。ただ、米民間部門雇用者数は1億1600万人台を回復し、リセッション突入前のピークへと回帰している。
 欧州中央銀行(ECB)が債券購入に関して最大1兆ユーロ規模を想定していると伝えられたことを手がかりにユーロが重くなったほか、ロンドンフィックスにかけては欧州通貨売り・資源国通貨買いフローが続いた。欧州通貨に関して、米雇用統計を受けたドル売り圧力は限定的。
 ドル円は103.20円、ユーロ円は141.41円、ポンド円は171.02円まで下落。米雇用統計は安堵できる内容だったが、市場予想に対しては弱い部分もあり、このところの円売りに巻き戻しが入った。終盤にかけて米株安が強まったことも円買い要因。加ドル円は強い加雇用統計を手がかりに94.90円まで上昇後、93.95円まで反落。資源国通貨高を追い風に豪ドル円は96.52円、NZドル円は89.23円まで上げたが、ドル円が一段安となると失速している。
 ユーロドルは米雇用統計の発表後に1.3732ドルまで強含んだものの、その後は1.3672ドルまで下押した。ECBのQEに関する報道が重し。ポンドドルは1.6556ドルまでドル買いとなった後、1.6606ドルまで持ち直したが上値は限定的。
 さえない欧州通貨とは対照的に、豪ドル/ドルは0.9308ドル、NZドル/ドルは0.8604ドルまで上昇。豪ドルは対ドルで昨年11月以来の高値を塗り替えた。ドル/加ドルは加雇用統計が強かったこともあり、1.0957加ドルまで加ドル高となった。