NY為替概況 ドル円は上値伸ばすもリスク回避が上昇抑制

2014年10月23日 06:15

NYタイムは、米消費者物価指数(CPI)発表後に米長期金利が上昇したことを受け、ドル買いが先行した。カナダ銀行(BOC)金融政策発表後は加ドル買いが強まった。加国会議事堂を含めた首都オタワでの銃乱射事件の加ドルへの影響は明確ではなかったが、米株価のリスク回避的な下落を通して、為替市場に影響を与えた。NZドルは、RBNZ総裁が金融引き締めの先延ばしが可能であることへの言及もあって、下値を広げた。
 
米9月CPIは前月比+0.1%となり市場予想の±0.0%を上回って、同コアは市場予想通りの+0.1%だった。水準は強くないが、前年比の伸びが鈍化しなかったことに米長期金利は上昇で反応。米10年債利回りは2.2%付近から一時2.248%まで水準を上げた。為替はドル買いとなり、ドル円は107.38円まで上昇。ただ、米株価が小幅高から下落幅を広げる様相へと転じると107.10円付近へ下押し、リスク回避の円買いを意識させる動きを見せた。加銃乱射事件が北米市場の重しとなった。米長期金利も頭打ち。一方でロンドンタイムから軟調だったユーロドルは1.2637ドルまで下落幅を広げた。ユーロ円も135.45円まで水準を下げた。欧州の銀行11行がストレステストに不合格との憶測も、引き続き売り材料となった。
 
他通貨は対ドル・クロス円でまちまちでNYをスタートも、次第に上値が重くなった。ポンドドルは、1.60ドル後半まで戻りを試したものの1.60ドル半ばへ下押し。豪ドル/ドルも0.8815ドルまでじり高となったが、0.87ドル後半へ反落した。クロス円は、ポンド円が172円を挟んで上下、スイスフラン(CHF)円は112.30円まで水準を下げた。豪ドル円は94.51円まで上昇したものの、94円付近に反落した。
 
加ドルは、加金融政策の発表後、買い優勢。ドル/加ドルは一時1.1184加ドル、加ドル円は95.87円まで加ドル高推移となった。政策金利は市場予想通り1.00%に据え置き。しかし声明から金融政策に関しての「中立」との文言が削除されたことに、加ドル買いで反応した。インフレは引き続き抑制されているとされながらも、住宅市場の過熱などへの懸念もある。次の金融政策の方向は利上げとの思惑が勝ったようだ。ただ、声明内容は必ずしもタカ派的ではなく、上昇幅を縮小している。
 
NZドル/ドルは一時0.7918ドル、NZドル円は84.83円まで下落。ウィーラーRBNZ総裁の「貸し出し制限はインフレ圧力を軽減する」、「貸し出し制限は引き締めの先延ばし許容につながる」などの発言が重しとなった。