NY為替概況 ドル円、119円回復も買い続かず

2014年12月19日 07:00

NYタイムはドル円がいって来い。前半は、景気を下支えしつつ利上げに向けた地ならしに成功した昨日の米FOMCを好感し、ドル円は11日以来の高値となる119.31円まで上昇幅を広げた。米新規失業保険申請件数や同景気先行指数が予想より良かったことも、ドル円の上昇を後押しした。ただ、ビックイベントを無事に通過し、市場参加者の気持ちが来週のクリスマス休暇へ移っていることから、積極的に上値を追うムードはなく、買い一巡後は118円後半へ押し戻された。関連市場では、ダウ平均は420ドル超上昇し、米長期金利は2.2%台を回復した。
 
新規失業保険申請件数は市場予想29.5万件のところ28.9万件、11月景気先行指数は市場予想+0.5%のところ+0.6%だった。その他では、12月フィラデルフィア連銀製造業指数は24.5と、市場予想26.0を下回った。
 
クロス円の多くも、買い一巡後は利食い売りに押された。ドル円の上昇に連動して、豪ドル円は97.62円、NZドル円は92.43円、加ドル円は102.79円までそれぞれレンジ上限を拡大。約1年ぶりとなる大きな伸びを示した英小売売上高の余韻もあって、ポンド円は186.73円まで一段高となった。しかし取引一巡後は、ドル円と同様に高値から押し戻された。
 
スイスフラン(CHF)円やユーロ円は上値の重い展開。CHF円は、スイス国立銀行によるマイナス金利の導入が引き続き意識され、121円半ばで上値が抑えられた。ユーロ円は、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和拡大への思いから、145.61円までレンジ下限を広げる場面があった。
 
他通貨はドルに対してまちまち。ユーロドルが1.2266ドルと、8日につけた年初来安値1.2247ドル付近まで下げ幅を広げた一方で、ポンドドルは好調な経済指標を好感して1.5677ドルまで強含んだ。