NY為替概況 ドル円 雇用統計後に下ぶれも持ち直し週引け

2014年06月07日 07:53

NYタイムは、米5月雇用統計は労働市場の着実な回復をうかがわせる内容となり、ドル円が上昇した。非農業部門雇用者数(NFP)は21.7万人と市場予想並みの増加幅。失業率は前回から横ばいの6.3%。市場予想の6.4%を1p下回った。ここ最近、注目度が高まっている平均時給は前年比では+2.1%で、市場予想の+2.0%をやや上回っている。結果発表後こそ売買が交錯し、ドル円は発表前の102.40円付近から102.55円へ瞬間的に上ぶれ後、102.11円まで下落。米長期金利がいったん上昇したものの低下に転じたことに反応した。米債は、最大の注目イベントである雇用統計を区切りとしたショートポジション解消が旺盛だったようだ。しかし米株価は底堅い指標結果を好感して上昇した。米10年債利回りも金利水準も持ち直し、ドル円は下落幅を帳消し。さらに上値を伸ばし、102.62円まで高値を更新した。その後は米10年債利回りが2.6%台まで上昇したことに支えられ底堅かったものの上昇幅を広げられず、次第に動意を鈍らせ週末相場に。102円半ばで取引を終了した。
 ドルは他通貨に対しても底堅かった。米金利低下局面では対ドルで各通貨とも上昇し、ポンドドルは1.6845ドル、ユーロドルは1.3678ドルまで上昇。オセアニア通貨も、豪ドル/ドルが0.9359ドル、NZドル/ドルが0.8554ドルまで上ぶれた。しかしその後はポンドドルが本日安値1.6781ドルをつけ、ユーロドルもいったん1.3620ドル台へ下押し。豪ドル/ドルは0.9319ドル、NZドル/ドルは0.85ドル前後まで軟化する場面が見られた。
 クロス円は、対ドルでの各通貨の上下とともに動意しつつも、対ドルでの円売りに支えられ底堅さを維持。ポンド円は172.52円まで上ぶれ後に171円後半へ下押したものの、172円前半へ水準を回復。ユーロ円は139円後半、豪ドル円は95円半ばから後半での動きで、NZドル円は87.46円の高値を付けた後、87円前半レンジを維持し推移した。
 加ドルは対ドル・対円でまちまち。NYタイム序盤に発表された加5月就業者数は、ほぼ市場予想通りの2.58万人の増加だった。一方で失業率は7.0%と市場予想や前月の6.9%からわずかながら上昇。発表後、ドル/加ドルは一時1.0948加ドルまで、加ドル円は93.44円まで加ドル安推移となった。加失業率の悪化が加ドルの下押し圧力になった側面もあったようだ。だが、米雇用統計後に弱含んでいたドルが次第に持ち直し、強さを増していった影響が大きかったもよう。ただ、ドル/加ドルはその後1.0920加ドル台、加ドル円はドル円を中心とした円売りの影響もあって93.80円付近まで加ドル高寄りへ戻した。