NY為替概況 ドル全面高、FOMC声明に驚き

2014年10月30日 07:13

NY為替市場では、米連邦公開市場委員(FOMC)声明を受けてドルが全面高。雇用判断に関する文言がしっかりと修正されたことが手がかり。タカ派が勢力を拡大した。ハト派のコチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁は反対票を投じている。タカ派から反対票はなかった。先月のFOMC以降、雇用情勢を判断する米経済指標の改善トレンドに大きな変化は見受けられず、今回は予定通りに量的緩和の規模拡大が終了し、声明文は微調整にとどまるとの見方が多かった。
 
FOMC声明では、第1パラグラフの雇用に関する判断が上方修正されている。米賃金の上昇率は伸び悩んでいるものの、労働市場のたるみに関する文言はかなり変化した。エネルギー価格の下落に言及しつつも、インフレ期待の低下はあまり懸念されていない。政策金利を「相当な期間」据え置くとの文言は市場予想通り維持されている。
 
ドル円は108.97円、ユーロドルは1.2631ドル、ポンドドルは1.6003ドルまでドル高に。豪ドル/ドルは0.8776ドル、ドル/加ドルは1.1225加ドルまでドル高推移。チャートパターンからポンドドルや豪ドル/ドルには反発の兆しがあったが、FOMC声明が打ち消した。
 
クロス円は重い。ユーロ円は137.41円、ポンド円は174.01円、豪ドル円は95.54円まで下げた。ドル円の上昇がクロス円の下値を支えたが、欧州通貨や資源国通貨が急落している影響がより大きく反映された。FOMC声明の発表前後で米株価指数は不安定となったものの、米金融政策が正常化に向かうことはむやみに嫌気する材料ではなく、株価の下値は広がらず。
 
市場予想通りに政策金利を3.50%で据え置いたNZ準備銀行(RBNZ)は、声明文末尾にあった「追加引き締めが必要となると想定する」との文言を削除した。2014年のNZ成長率見通しである+3.7%も消された。これまでの政策を評価することが引き続き適切であるとの認識は示されているが、声明文から利上げバイアスはほぼ失われた。乳製品価格や輸出の変動に翻弄されている。利上げ再開見通しを根拠にNZドルを買い進める理由はなくなった。通貨高けん制の文言に変化はない。NZドル/ドルは0.7770ドル、NZドル円は84.58円まで下げ幅を拡大。
 
 
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