NY為替概況 ドル全面安、BOE総裁の発言でポンド急伸

2014年06月13日 06:26

為替市場ではドルが売られた。米小売売上高や米新規失業保険申請件数が弱かったことがドル売りを誘い、ポンドやオセアニア通貨の強さがドル安に拍車をかけた。米30年債入札の堅調さを受けて、米長期債利回りはNY午後にかけて一段と低下。米株式市場では調整安が継続。イラク情勢の混迷を背景にNY原油先物は昨年9月以来の高値をつけ、エネルギー価格上昇による景気圧迫も懸念されつつある。ただ、エネルギー高によるインフレ圧力拡大が意識され始めると、米国や英国の利上げ開始時期も左右する。
 ドル円は101.60円まで下落し、先週からの反落局面が継続。ユーロドルは1.3572ドルまで反発。ロンドン午前には欧州中央銀行(ECB)理事会後の安値である1.3503ドルに迫ったものの下値探りは後退。ワイトマン独連銀総裁は資産購入に消極的な見方を示した。
 ポンドドルは急伸。約1カ月ぶりの高値をつけた。5月以降の短期下降トレンドラインを上抜いた後、オズボーン英財務相が「住宅ローン融資の割合を制限する権限をBOEに供与へ」と述べ、利上げの早期開始を回避しようとするスタンスを示すとポンド売りが入った。ただ、カーニーBOE総裁が「BOEは市場の予想より早期に利上げを開始する可能性」があると発言すると1.6931ドルまで急伸。同総裁は利上げ開始時期を左右する労働市場のたるみに関して前向きな見方は示していないものの、NYクローズにかけて一方的なポンド買いとなった。
 豪ドル/ドルは0.9438ドルまで上昇し、年初来高値の更新を視野に入れた。豪ドル/ドルは4月以降の三角もち合いから上放れている。NZドル/ドルは0.86ドル後半で高値もみ合い後、0.8700ドルまで一段高に。NZ準備銀行(RBNZ)が利上げを継続する意向を示していることが背景。ドル/加ドルは1.0842加ドルまで加ドル高推移。
 ドル円が下げ幅を広げたことで、クロス円は重い。ユーロ円は137.71円、ポンド円は171.04円、加ドル円は93.60円の安値をつけた。豪ドル円は95.70円付近へと伸び悩み。NZドル円は88円前半まで高値からやや押し戻された。取引終盤、ポンド円はポンド買いから172.26円まで急反発。