NY為替概況 ドルはしっかり、米国と他国の温度差で

2015年01月22日 07:36

NY為替市場はドルが底堅い展開。米連邦準備理事会(FRB)と他の主要中銀との金融政策の温度差が意識された。
 
ユーロは乱高下の末に上値が重くなった。ユーロドルは、ECB理事会を控えたポジション調整が緩やかに進行し、昨日高値を上回って1.1640ドル付近まで買いが先行した。その後は、一部報道が「ECB役員会が、2016年末まで月500億ユーロの量的緩和を提案した」と関係者の話をもとに伝えたことがきっかけとなり、1.15ドル半ばまで反落。しかし、同ニュースをめぐっては、別の報道機関が購入期間について「少なくとも1年は続ける」としたことで、購入規模への思惑が交錯する中、ユーロドルは瞬間1.1680ドルまで切り返す場面もあった。市場では、5500億ユーロ規模の拡大になるのではとの見方がこれまで優勢だった。
 
とはいえ、ユーロ圏の量的緩和拡大の方向性は変わっていないことから、上昇一巡後は1.15ドル後半へ押し戻された。ユーロ円は、135.81円までレンジ下限を広げた。
 
加ドルは下落。カナダ銀行(BOC)が予想外の利下げに踏み切ったことが影響した。BOCは、政策金利を25bp引き下げ0.75%とすることを決めた。これを受け、ドル/加ドルは2009年4月以来の水準となる1.2394加ドル、加ドル円は95.07円まで加ドル安が進んだ。加ドルに連動して、他の資源国通貨も軟調に。豪ドル/ドルは0.8078ドル、豪ドル円は95.23円まで下落。NZドル/ドルは、2012年6月以来の水準となる0.7551ドル、NZドル円は3カ月ぶりの水準となる88.98円までそれぞれ安値を塗り替えた。
 
ドル円は底堅い展開。117.18円へ下押しする局面はあったが、下げが先行した米株価がもち直したこともあって、118円台前半へ反発した。また、この日発表された米12月住宅着工件数は市場予想を上回る108.9万件だった。一方で、先行指標となる建設許可件数は前月から減少。強弱まちまちだったこともあり、市場の反応は限定的だった。