NY為替概況 ドル、終盤に失速 株高で円安も

2014年05月22日 06:36

NYタイムの為替市場はドルが「いって来い」。ECBのマイナス金利政策をめぐる警戒心からユーロ売りが進む中で、幅広い通貨に対してドル買いが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で「金融政策の正常化について議論」したことが明らかになると、ドルは一段高となった。しかし、同時に「正常化に関して決定された事項はない」、「雇用を促進してもインフレ懸念はないと判断」、「弱い住宅市場のリスクを指摘」など、当局側が慎重姿勢を崩しておらず、早期の利上げ期待は後退。ドルは終盤に上げ幅を縮めた。また、ダウ平均が昨日の下落分を取り戻すなどリスク回避の流れが巻き戻され、円の上値も重かった。
 また発表された経済指標では、ユーロ圏5月消費者信頼感・速報値が-7.1と、6カ月連続でマイナス幅を縮小した。
 ユーロドルや豪ドル/ドルは売りが先行。ユーロドルは一時1.3635ドルまで下げ幅を拡大した。その後は、同水準で推移する200日移動平均線をサポートに1.36ドル後半へ切り返した。当局者の通貨下落に触れた発言が重しとなってさえない展開が続いていた豪ドル/ドルは、0.9209ドルまで一段安に。ただ売り一巡後は、ユーロドルがもち直す動きに連動して0.92ドル半ばへ戻した。
 ドル円・クロス円は底堅い展開。ドル円は株高やドル高を手掛かりとしてFOMC議事録公表直後に101.63円まで上昇。16日以来の高値をつけた。クロス円はじり高。株高に伴う投資家のリスク許容度改善が下支えとなり、豪ドル円は93.81円まで本日高値を更新した。ユーロ円は、ユーロドル下落に引っ張られてつけた138.15円を安値に138円後半まで切り替えした。