NY為替概況 ドル、対円・対ユーロで節目を捉える

2014年12月04日 07:19

NY為替市場では円やユーロに対してドル高が進んだ。ドル円は119.87円まで上昇し、2007年以来の高値を更新。120円の大台をしっかりと視野に捉えている。ユーロドルは1.2301ドルまで年初来安値を更新。円やユーロに対する一段のドル高はオプションバリアの防戦が阻んだ。ユーロ円は147.04円まで弱含んだが、下値は限定的。
 
日銀や欧州中央銀行(ECB)は原油安トレンドによる景気刺激効果よりも短期的なインフレ抑制を苦々しく思っている可能性が高く、昨日と同様に円安・ユーロ安・ドル高の構図となった。4日のECB理事会が注目される。発表された米ADP雇用者数は弱く、米ISM非製造業景況指数は強かったが、今回の結果からイメージはあまり膨らまず、ドルに対する影響は軽微。米ISM非製造業景況指数の内訳の雇用指数は前回の59.6から56.7へ低下し、米ADPの結果と合わせて週末の米雇用統計に対する期待感を高めていない。ただ、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、一部の地区で若干賃金が上昇していると報告された。
 
ポンドドルは1.5719ドルまで上昇。英サービス業PMIが強かったほか、英秋季財政報告で英成長率見通しが引き上げられたことも手がかり。ポンド高と円安の二重の追い風が吹き、ポンド円は188.20円まで一段高となり、08年10月以来の高値を塗り替えた。ただ、ポンドドルは年初来安値圏で上下を続けているだけで、ポンドドルの下落基調は継続中。
 
ドル/加ドルは1.1347加ドル、加ドル円は105.50円まで加ドルが高値を更新。カナダ銀行(BOC)は声明で、予想を上回るインフレ率の上昇は主に一時的な要因によるとのスタンスを崩していないが、輸出の堅調さが設備投資や雇用に反映されつつあるとの認識を示したうえ、原油安によるインフレ率のダウンサイドリスクは米経済の堅調さや加ドル安トレンドなどによって軽減されるとした。加インフレ率の上昇傾向が続くなかで、中立的なスタンスがやや変化しつつあるようだ。