NY為替概況 ドル 月末フローをこなして全面高に

2014年08月30日 06:35

NYタイムでは月末要因に絡んだ実需のフローも背景に、ドルに売りが先行した。ドル円は市場予想を上回った米8月シカゴ購買部協会景気指数や、同ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値の発表を前に104円台へ上振れたが、伸び悩む米株価や長期金利の低下にも押されて103.80円近辺まで失速。ポンドドルは1.6614ドルまで買われて前日高値に並んだほか、ドル/加ドルは4-6月期および6月単月の国内総生産(GDP)が総じて予想を上回ったことも好感され、1.0811加ドルまで加ドル高・ドル安で推移した。
 
もっとも、ロンドンのフィキシングを通過すると、ドルは先高感や好調な経済指標を受けた見直し買いも背景に反発。米国の連休を前に動意に乏しかった関連市場を横目に、ドル円は104.12円まで切り返して日通しの高値を更新。ポンドドルは1.6563ドルまで水準を下げ、ドル/加ドルは短期的な上昇基調の反動もあって1.0879加ドルまで対ドルで下落。加ドル円も96.09円から95円半ばまで押し戻された。豪ドル/ドルは0.9332ドルと欧州タイムにつけた安値に並び、NZドル/ドルは0.8356ドルまで下値を広げた。また、ユーロドルはオプションバリアの防戦買いをこなし、1.3132ドルまで下値を拡大。昨年9月以来の安値を塗り替えた。ユーロ円も137.20円を高値に136.58円まで反落。ユーロは対ポンドでも売られるなど、ドル全面高のなかで特に軟調な推移。この日発表されたユーロ圏8月消費者物価指数(HICP)は2009年10月以来の水準へ低下。来週の欧州中央銀行(ECB)理事会で追加緩和を見込む向きは少ないが、ディスインフレ傾向を背景に年内の資産購入による緩和実施は既定路線となりつつある。
 
ユーロ円や加ドル円は対ドルの一段安に押されて下値を切り下げたが、ポンド円は終盤になってポンドドルが対ユーロでの一段高を支えに1.66ドル台まで反発すると、172.85円までレンジ上限を拡大。豪ドル円はドル円の上昇にもサポートされて97.28円まで買われ、NZドル円は87円前後を中心に下値が限定的だった。
 
 
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