NY為替概況 ウクライナ情勢緊迫でリスク回避に

2014年08月16日 07:07

NYタイム、ウクライナ軍が人道的支援を名目としたロシアの車列を攻撃とのニュースを受け、急速に市場のリスク回避姿勢が強まった。コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁の「物価、FOMCの安定目標からほど遠い」、「2018年までインフレ率2%達成は難しい」といったハト派発言で米長期金利が低下し始めたところにウクライナのニュースが入り、リスク回避の債券買い(利回り低下)がさらに加速した。昨日までなら米金利低下が株価を支えたが、本日は地政学的な緊張から株価も下値を探った。為替市場もリスクを意識した動きを強めた。序盤に発表された強弱混在の米経済指標に市場は反応しきれなかった。
 
ドル円は3日ぶりの安値102.13円まで下落。ユーロドルは、米金利が低下し始めた局面でこそ、昨日高値を上回る1.3412ドルまで上昇するなど、ドル売りを背景とした底堅さを見せていた。だが、ウクライナの軍事的衝突のニュースが流れると売られ、その後は1.33ドル後半レンジを中心に推移。ユーロ円も137.61円から136.16円まで下落している。ポンドドルも1.67ドル付近で上値が重く、ポンド円は円買いの強まりもあって一時170.44円まで下落した。スイスフランはウクライナのニュースを受けた安全志向の買いで、対ドルで0.9024CHFまでCHF高。CHF円は円買いに押され、113円前半で上値が重かった。
 
市場のリスクセンチメントに敏感な資源国通貨も軟化した。豪ドル/ドルは0.9298ドル、豪ドル円は一時95.03円まで下落。NZドル/ドルは0.85ドル付近で伸び悩み0.8480ドル前後へ下押し、NZドル円は86.67円まで下落した。加ドルも売り優勢で、ドル/加ドルは1.0919加ドル、加ドル円はNY入りにかけてつけた上振れ水準94.52円から、93.55円まで下落した。ただ、米株価が下落幅を縮小し、プラスに転じる指数も散見された。為替市場のリスク回避もやや緩み、週引けに向けて次第に動意は落ち着いていった。
 
 
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