見通し(NY市場) 本格反発は時期尚早、企業決算が相場を下支えか

2014年04月16日 21:00

本日のNY株式相場は方向感の乏しい動きか。昨日は弱い経済指標やウクライナ情勢の不透明感を嫌気した一方、好調な企業決算が好感された。下値ではテクニカルな押し目買い意欲も強かったようだ。とはいえ、相場自体は手掛かりがなくなると、モメンタム銘柄やバイオテック銘柄に売りが集まり、前日比マイナス圏に沈むような神経質な状況である。まだ、本格的な反発局面に入ったと判断するのは時期尚早である。主要株価指数については、戻り局面における高値圏での値動きを慎重に見極めたい局面だ。
 
 材料面では経済指標では3月住宅着工件数、同鉱工業生産、ベージュブック、イエレンFRB議長の講演と目白押しである。特にちょうど現地時間お昼に行われるイエレンFRB議長の講演は、金融政策についてがテーマとなっており、金利やドルも含めた市場の反応が気になるところだ。企業決算ではグーグルやIBMといった注目企業は取引時間後の発表。取引時間前はバンク・オブ・アメリカが相場のムードを左右する決算となりそうだ。今のところ、おおむね好調な決算が続いており、本日の相場も企業決算が下支えするかに注目したい。
 
 15日のNY株式相場は続伸。この日に発表された米企業決算がおおむね好調な結果となったことを好感。米経済指標への失望から売られた場面もあったが、好決算を背景とした押し目買いが優勢だった。ダウ平均は前営業日比89.32ドル高の16262.56ドルで終了した。
 
 米主要株式指数は買いが先行。ザ コカ・コーラカンパニーやジョンソン・エンド・ジョンソンなど取引時間前に発表された四半期決算がおおむね好調となったことを好感した。ただ、米NY連銀製造業景気指数が1.29と市場予想(8.00)を下回ったうえ、米NAHB住宅市場指数が47と市場予想(49)を下回る上昇に留まったことが失望を誘い、指数は昼にかけて弱含んだ。ただ、総じて好調な企業決算を背景に、昨日の安値付近を意識した押し目買い意欲が強く切り返すと引けにかけて持ち直す動きとなった。
 
 NASDAQは前営業日比11.47ポイント高い4034.16ポイント、S&P500は前営業日比12.37ポイント高の1842.98ポイントで終了した。