見通し(MY市場) まだまだ市場は神経質か

2014年04月15日 20:55

本日のNY株式相場は神経質な動きか。昨日の相場は小売売上高とシティグループの決算の双方が米株相場の自律反発を促した格好となった。とはいえ、序盤の買いが一巡すると、再びモメンタム銘柄やバイオテクノロジー株が売り込まれて下押した。また、緊張感が高まっているウクライナ情勢が重荷となるなど、市場環境はまだ神経質である。しかも出来高は先週木曜と金曜よりも少なかった。
 
 相場の自律反発力にいささかの疑問が残るなか、本日はアトランタ連銀の金融市場カンファレンスでイエレンFRB議長がビデオを通じた基調講演を行う。タイトルなどは公表されていないが、取引時間前であるため、寄り付きまでの株価指数先物の動きは注目したい。イエレン議長は16日にNYエコノミッククラブで「金融政策と経済回復」というそのものズバリな講演を行う予定であり、本日の講演は手掛かりになりづらい可能性もある。
 
 経済指標ではニューヨーク連銀製造業景気指数、消費者物価指数、NAHB住宅市場指数が発表される。ニューヨーク連銀製造業景気指数については、結果に一喜一憂する可能性がある。NAHB住宅市場指数については、春の住宅建設シーズンが始まっており、住宅関連セクターへの影響が注目される。企業決算はザ コカ・コーラカンパニー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ヤフーインク、インテルといった注目企業が第1四半期決算を発表する。
 
 なお、昨日の日没よりユダヤ教の過越祭が始まった。21日の日没まで行われるこの祭りは、初日(15日)と最終日(21日)は仕事をしてはいけない規定になっているようだ。これがどの程度、相場に影響するかわからないが、流動性を欠く展開となる可能性に留意したい。このほか、本日は米国の確定申告の最終日である。関連の換金売りは出尽くしているとみられるが、過去のアノマリーをみると確定申告の最終日のダウ平均は1981年以降で6回しか下がっていないようである。
 
 14日のNY株式相場は3営業日ぶりに反発。3月の小売売上高やシティグループの第1四半期決算が予想外の増益となったことを好感し、相場の自律反発を後押しした。ダウ平均は前営業日比146.49ドル高い16173.24ドルで終了した。
 
 米主要株価指数は買いが先行。取引時間前に発表された米3月小売売上高が前月比1.1%増と、市場予想(同0.9%増)を上回る好結果となった。さらに、米シティグループの第1四半期決算で調整後の一株当たり利益が1.30ドルとなり、市場予想(1.14ドル)を上回る予想外の増益となった。市場はこれらを好感し、自律反発の動きを強めるとその後は堅調に推移。ウクライナ情勢に対する不透明感が残るなか、取引終了1時間前に急落する場面がみられたものの、引けにかけて持ち直した。
 
 NASDAQは前営業日比22.96ポイント高の4022.69ポイント、S&P500は前営業日比14.92ポイント高い1830.61ポイントで終了した。