見通し(香港 株式) ウクライナ情勢や本土市場の低迷で売り先行か

2014年04月28日 10:03

売り先行の展開か、ウクライナ情勢や本土市場の低迷などで
 
 週明け28日の香港市場は、前週末に欧米株市場がそろって下落した流れを引き継ぎ売り先行で始まりそうだ。26日の欧米主要市場は緊張が続くウクライナ情勢を受けて投資家心理が悪化し、運用リスクを回避する売りが広がった。25日のNY市場ではダウ平均が大幅下落し、15日以来の安値を付けた。加えて、本土市場の低迷も重しだ。仮目論見書の公開が122社に増え、IPO早期再開による株式需給悪化への警戒感が高まったことや人民元安基調などが足を引っ張り、1週間で2.9%下げている。このほか、中国・香港株ファンドへの投資が前週に3億7000万米ドルの売り越しとなり、3週間続いた買い越しから資金流出に転じたこともマイナス材料。
 
 ただ、香港株に影響の大きい米国株市場は、バリュエーション調整からハイテク、バイオテク株を中心に月前半に下落傾向を強めたものの、米アップルが23日に発表した第2四半期(1-3月期)決算が予想外の好業績になるなど、堅調な企業業績もあって落ち着きを取り戻しているとみる向きが多い。また、27日に発表された中国の1-3月工業企業利益が10.1%となり、伸び率が1-2月から0.7ポイント加速したこともあり、売り急ぐ動きは限定的とみる。
 
 なお、25日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。時価総額が大きいHSBC(00005)、チャイナ・モバイル(00941)がともに上げた半面、本土系銀行の中国工商銀行(01398)、中国銀行(03988)などを中心に下げる銘柄も目立った。